広島県道250号道後山公園線

広島県道250号道後山公園線

広島県道250号道後山公園線は、中国地方の脊梁山脈に位置する道後山（どうごやま）の中腹と、麓を通る国道183号を結ぶ、広島県庄原市内を走る一般県道です。この路線は、標高約1,000メートルの道後山地域にあるレジャー施設群への主要なアクセス路としての役割を担っています。

路線の起点は、庄原市西城町三坂に位置する道後山山の家および道後山ロッジの目の前あたりで、ここから南西方向へ下っていき、同じく庄原市西城町三坂で国道183号と交差する地点が終点となります。総延長は約4.1キロメートルと比較的小規模な県道ですが、山間部を縫うように走るため、カーブが多く、場所によっては道幅が狭い箇所も存在します。道後山の豊かな自然景観を楽しみながら走行できることから、観光道路としても利用されています。

この県道の最も特徴的な点の一つは、冬季期間における扱いです。路線の起点から約3キロメートルにわたる区間、具体的には庄原市西城町三坂の起点から道後山橋までの間が、毎年12月15日から翌年の3月15日までの約3ヶ月間、冬季閉鎖となります。これは、この閉鎖区間が道後山スキー場のゲレンデの一部として利用されるためです。積雪期には、県道の路面がそのままスキーコースの一部となり、スキーヤーやスノーボーダーが行き交うエリアとなります。そのため、閉鎖区間内には、スキーゲレンデと平面で交差する場所や、スキーリフトの下を通過する珍しい箇所が存在します。冬季に訪れる際は、この区間の閉鎖に注意が必要です。

広島県道250号道後山公園線としての歴史は、昭和30年代にまで遡ります。最初にこの路線が県道として認定されたのは、1960年（昭和35年）10月10日の広島県告示第682号によるもので、当時は広島県道55号道後山公園線という番号が与えられていました。その後、1972年（昭和47年）11月1日に行われた都道府県道の番号再編に伴い、現在の路線番号である250号に変更されました。また、平成の大合併により地域の自治体構造が変わったことも、この県道に影響を与えています。2005年（平成17年）3月31日に庄原市が周辺の町村と合併し、新たな庄原市が発足したことに伴い、起終点の所在地の表示が、それまでの「比婆郡西城町三坂」から現在の「庄原市西城町三坂」へと変更されました。

地理的には、この県道は庄原市の一つの自治体内のみを通過します。主な沿線施設としては、路線の名称にも冠されている道後山、登山の拠点や宿泊施設である道後山ロッジ、道後山山の家、そして中国地方有数のスキー場である道後山スキー場があります。また、夏季にはクロスカントリースキーのトレーニングなどに利用される道後山高原クロカンパークなども沿線またはその近傍に位置しており、年間を通じて道後山地域のレジャーや観光の拠点へのアクセスを担っています。麓の終点では、鳥取県から広島県を経て島根県へと至る主要国道である国道183号に接続しており、広域的な交通ネットワークの一部を構成しています。この県道は、道後山の自然とレジャー施設を結ぶ、地域にとって重要な役割を持つ路線と言えるでしょう。

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