広島県道278号焼山吉浦線

広島県道278号焼山吉浦線

広島県道278号焼山吉浦線（ひろしまけんどう278ごう やけやまよしうらせん）は、広島県の南西部に位置する主要都市、呉市内を通過する一般県道の一つです。この道路は、呉市の内陸部にあたる焼山地区と、沿岸部に位置する吉浦地区とを結んでおり、その経路には勾配のある区間が含まれることから、地元では通称として「鍋土峠」とも呼ばれています。

路線データ

この路線の正式な起点は、広島県呉市焼山此原町に設定されています。具体的には、この地点で広島県道31号呉平谷線と接続しており、焼山地区内の重要な交通結節点の一つとなっています。

一方、終点は、呉市吉浦本町1丁目の吉浦駅前交差点です。この交差点は、地域の主要幹線である国道31号と交差しており、JR西日本呉線の吉浦駅がすぐ近くにあるため、鉄道利用者にとっても利便性の高い場所です。終点はこの交差点をもって本路線が終了し、国道へと接続する形となります。

路線の総延長は5.279キロメートルと、比較的短い距離ながらも、山間部と海岸部という異なる地形を繋ぐ役割を担っています。

歴史

広島県道278号焼山吉浦線は、地域における交通インフラの整備が進められる中で誕生しました。この路線は、1960年（昭和35年）10月10日に、広島県が発行した告示第682号に基づいて、正式に一般県道として認定されました。これにより、焼山地区と吉浦地区間の交通路としての重要性が公的に認められ、その後の維持管理や改良が進められる基礎となりました。

路線状況

路線の状況としては、山間部を含むことから、一部に急なカーブや勾配が見られる区間があります。通称「鍋土峠」と呼ばれる区間は、まさにその地理的特徴をよく表しています。道路施設として特筆すべきは、路線の途中で二河川を渡る此原橋（このはらばし）です。この橋は呉市内にあり、地域の交通の流れを円滑に保つ上で重要な構造物となっています。

地理

本県道が通過する自治体は、広島県呉市のみです。起点の焼山地区は比較的標高が高い地域であり、終点の吉浦地区は瀬戸内海に面した低地部です。このため、路線は山を下る形で二つの地域を結んでいます。

交差する主な道路

本路線は、以下の主要な道路と交差しています。

広島県道31号呉平谷線: 起点である呉市焼山此原町で接続します。
国道31号: 終点である呉市吉浦本町1丁目の吉浦駅前交差点で接続します。

沿線

広島県道278号焼山吉浦線の沿線には、いくつかの注目すべき場所や施設があります。

鳴滝（なるたき）: 焼山地区側にある自然豊かな景勝地です。滝の周辺は緑に囲まれ、清涼な雰囲気が漂っており、地域の自然を楽しむことができます。
呉市交通局バス停「野間園」: 沿線に設置されており、呉市営バスの停留所として機能しています。公共交通を利用する地域住民のアクセスポイントとなっています。
* JR西日本呉線 吉浦駅: 終点近くに位置する鉄道駅です。吉浦地区の中心部にあり、この駅を介して鉄道と県道との乗り換えが可能となっています。

広島県道278号焼山吉浦線は、地形的な特性を持ちながらも、地域住民の生活や通勤・通学、さらには地域の物流を支える重要な道路ネットワークの一角を担っています。焼山と吉浦、二つの地域の結びつきを強化する上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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