広島県道289号栗谷大野線

広島県道289号栗谷大野線

広島県道289号栗谷大野線（ひろしまけんどう289ごう くりたにおおのせん）は、広島県大竹市から隣接する廿日市市にかけて設定された一般県道です。この路線は、大竹市栗谷町大栗林を起点とし、廿日市市大野中央一丁目にある終点まで、総延長24.17キロメートルを結んでいます。

概要

路線の起点は、大竹市栗谷町大栗林において国道186号および広島県道460号栗谷河津原線と接続する地点に位置します。そこから南東方向へ進み、廿日市市大野中央一丁目の大野支所北交差点で国道2号と交差し終点となります。地域の山間部と沿岸部を結ぶ役割を持つ路線です。

地理的特徴と路線状況

この県道の最も際立った特徴は、その通過経路にあります。路線は、廿日市市内に点在する大竹市の飛地を縫うように通るため、ルート上では大竹市と廿日市市の市境をなんと13回も通過します。これは、両市の境界線が入り組んでいることに起因しており、全国的に見てもこのような複雑な境界越えを持つ県道は珍しいと言えます。路線が通過する自治体は、広島県内の大竹市と廿日市市のみです。

路線の全体的な状況としては、特に他の県道と重複しない単独区間において、道路の改良が進んでいない箇所が多く見られます。道幅が狭く、カーブも連続する区間があるため、大型車両が通行するには困難が伴います。このような区間では、運転に十分な注意が必要です。

また、気象条件による影響を受けやすい区間が存在しており、起点の栗谷町大栗林から廿日市市大野滝ノ下までの約22.3キロメートルは、異常気象時通行規制区間に指定されています。大雨や積雪など、異常気象時には通行止めとなる可能性があるため、事前に道路情報の確認が推奨されます。

他の路線との関係

広島県道289号線は、一部の区間で他の県道と重複しています。

広島県道460号栗谷河津原線: 起点である大竹市栗谷町大栗林から廿日市市大野にかけて、本県道と重複しています。
広島県道42号大竹湯来線: 廿日市市大野から大竹市松ヶ原町にかけての区間で、本県道と重複しています。

これらの重複区間を通過する際は、それぞれの路線番号も確認できます。

また、路線はいくつかの主要な交通インフラと交差しています。終点付近では国道2号に接続するほか、ルート上では山陽新幹線や山陽本線といった鉄道路線とも立体交差などにより交わっています。

沿線の見どころ

この県道沿いには、地域の自然や歴史、文化に触れることができる様々なスポットが点在しており、ドライブや散策を楽しむことができます。

マロンの里交流館: 地域の特産品などが手に入る交流施設。
大竹市役所栗谷支所: 大竹市側の行政窓口。
渡ノ瀬ダム: 周辺の自然景観に溶け込むダム湖。
蛇喰岩（じゃばみいわ）: 自然が作り出した奇岩群。
耕中石（こうちゅういし）: 田んぼの中にあるとされる石。
妹背の滝公園（いもせのたきこうえん）: 滝と清流が美しい公園。
大頭神社（おおがしらじんじゃ）: 廿日市市側に位置する歴史ある神社。
廿日市市役所 大野支所: 廿日市市側の行政窓口で、終点付近にあります。

これらの沿線施設や景勝地を訪れることで、この地域の豊かな自然や文化、歴史の一端に触れることができるでしょう。広島県道289号線は、その複雑なルートと沿線の魅力によって、単なる移動路としてだけでなく、地域の個性を感じさせる興味深い道となっています。

関連項目

* 広島県の県道一覧

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