広島県道316号都志見千代田線

広島県道316号都志見千代田線

広島県道316号都志見千代田線は、広島県山県郡北広島町域内を南北に縦断する一般県道として位置づけられています。

この路線は、山県郡北広島町都志見地区を起点とし、同町春木地区を終点とするルートです。その成り立ちは、1972年（昭和47年）に一旦認定された広島県道316号西宗千代田線が、1981年（昭和56年）に延伸される形で現在の名称と区間に変更されたものです。

路線の具体的な起点では、山県郡北広島町都志見において、広島県道40号安佐豊平芸北線と接続しています。一方、終点は山県郡北広島町春木の春木交差点に位置し、ここでは主要な幹線道路である国道261号と交差しています。

通行不能区間とその背景

本路線の最大の特徴であり、その現状を物語るのが、山県郡北広島町内の西宗地区（旧豊平町側）から寺原地区（旧千代田町側）にかけて存在する車両通行不能区間です。

この未整備状態は長年にわたっており、かつて1983年（昭和58年）9月4日付の中国新聞朝刊に掲載された短期連載記事「山県郡区県議補選出直しへの課題（中） けもの道」においても、その「けもの道」とも形容される未整備な様子が取り上げられたことがあります。記事の掲載から実に20年以上という長い歳月が経過していますが、この通行不能区間は現在に至るまで解消されていません。この背景には、並行する形で整備が進んだ国道433号の存在など、周辺道路網の整備状況も影響している可能性が指摘されています。

さらに近年、具体的には「令和」の時代に入ってから、この通行不能区間周辺の南側で、本県道よりもやや西寄りのルートにおいて、トンネルを含む新たな広域農道（芸北3期広域農道）の整備計画が具体化し、事業化されることが決定しました。これは、長らく未整備の状態が続く本県道の役割の一部を、将来的にこの新たな農道が担う可能性を示唆しているとも考えられます。

その他の路線状況と沿線情報

本路線は一部区間で他の県道と重複しています。具体的には、山県郡北広島町西宗地区において、広島県道313号烏帽子中原線とルートを共有しています。

通過する自治体は、全線にわたり山県郡北広島町のみです。

沿線には、地域の特産品や情報発信の拠点である道の駅豊平どんぐり村や、起点付近には豊平総合運動公園といった施設が点在しており、これらが沿道からのアクセス対象となっています。

まとめ

広島県道316号都志見千代田線は、山県郡北広島町内の重要な地域間を結ぶ計画路線でありながら、未だ解消されない通行不能区間を持つなど、独特な経緯をたどっている県道です。過去の報道や近年の周辺道路計画からも、その存在が地域の交通網の中で特別な位置を占めていることがうかがえます。

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