広島県道379号坪生福山線

広島県道379号坪生福山線

広島県道379号坪生福山線は、広島県福山市内に設定されている一般県道の一つです。この県道は、福山市南東部の坪生町六丁目にある岡山県道・広島県道3号井原福山港線との交差点を起点とし、北西に進んで市街地北部の奈良津町三丁目、福山北消防署前の国道313号との交差点を終点とする、実延長8.7キロメートルの路線です。福山市を縦断する形で結んでおり、地域住民の日常生活や物流を支える上で重要な役割を担っています。

この県道の起源は、1960年（昭和35年）10月10日に「広島県道246号坪生福山線」として認定されたことにさかのぼります。認定後、起点の所在地表記は行政区画の変更（深安郡深安町の福山市への編入、福山市大門町の再編）に伴い、深安郡深安町坪生から福山市大門町坪生を経て、現在の福山市坪生町へと変わっていきました。県道の番号についても、1972年（昭和47年）11月1日に行われた広島県の県道番号再編によって、現在の「広島県道379号坪生福山線」となりました。また、終点側の地名表記も、1985年（昭和60年）の住居表示実施により、奈良津町から奈良津町三丁目に変更されています。

路線のルートにも変更がありました。1993年（平成5年）には本県道の一部が主要地方道である神辺大門線に指定され、1994年（平成6年）4月1日には、県道神辺大門線の認定に伴い廃止された旧県道の一部が本県道に編入されました。この編入によって起点の位置が変更され、現在のルートが確定しました。

現在の路線状況には、いくつか課題が見られます。特に、福山市坪生町二丁目から春日町三丁目にかけての区間と、福山市西深津町六丁目から終点までの区間は道幅が狭く、路線バスも通行していますが、道路改良は進んでいません。かつて坪生町・春日町間のバイパス計画がありましたが、区画整理事業の中止などで頓挫しています。

起点付近から福山市春日町にかけては、並行する山陽自動車道の側道が迂回路として使われることがあります。しかし、この側道は農道規格で路肩が狭く、側溝に蓋がない箇所が多いなど、安全面で課題があります。また、終点に近い福山市西深津町六丁目から終点にかけても、福山市道が迂回路として使われますが、終点近くの国道313号交差点方面では慢性的な渋滞が発生しています。起点付近の案内標識から県道番号が消去された件は、近隣の別県道入口との紛らわしさを解消するためでしたが、その迂回路の実用性から効果は限定的との見方もあります。

本県道の一部区間は、春日池公園から福山市西深津町六丁目にかけて、「春日通り」という通称でも呼ばれています。これは、都市計画道路として整備された部分を指すことが多いようです。

また、この県道は、かつて地域を結んでいた旧街道である笠岡往来（鴨方往来）に並行する形で通っています。

沿線には、福山東警察署管轄の交番や駐在所、複数の市立小中学校、そして広島大学附属福山中学校・高等学校といった教育機関が立地しています。その他、郵便局や商業施設であるゆめタウン蔵王なども近くにあります。地理的な特徴としては、歴史あるため池の春日池、テレビ・ラジオ中継局が置かれている蔵王山などが沿線近くにあります。また、近畿中国四国農業研究センターや、地質的に注目される福山衝上断層の奈良津露頭なども沿線に見られます。

この県道は福山市の重要な交通路ですが、一部区間には課題も抱えています。路線の詳細や最新情報は、関係機関の公式サイトでご確認ください。

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