広島県道387号横島循環線

広島県道387号横島循環線

広島県福山市の内海町に位置する横島を巡る広島県道387号横島循環線は、瀬戸内海の豊かな自然を間近に感じられる一般県道です。この路線は、理論上は横島の海岸線に沿って島を一周する形を計画していますが、現状では一部に道路として整備されていない「区域未決定区間」が残されており、厳密な意味での完全な環状線としては機能していません。

路線の詳細

路線の起点と終点は、どちらも福山市内海町の新睦橋西詰交差点に設定されています。この地点は、広島県道53号沼隈横田港線の終点でもあり、他の主要な道路との接続点となっています。総延長は約8.1キロメートルですが、実際に車両が通行できる実延長は約6.7キロメートルにとどまります。残りの約1.4キロメートル、特に横島の南西部に位置する区間が、前述の区域未決定区間にあたります。この未整備区間があるため、島を一周するには別の経路を通る必要があります。

歴史

本路線は、1982年（昭和57年）3月23日に広島県告示第323号によって県道として認定されました。認定当初、横島は沼隈郡内海町に属していましたが、2003年（平成15年）2月3日に内海町が芦品郡新市町とともに福山市に編入されたことにより、路線の全区間が福山市の市域内を通ることになりました。これに伴い、起点および終点の地名表記も変更されています。

路線状況

広島県道387号は、いくつかの点で通行上の注意が必要です。まず、道幅が全体的に狭いため、大型車の通行は非常に困難です。また、夏季、特に7月から8月にかけての土曜日、日曜日、祝日の午前11時から午後4時までの時間帯は、横島東岸部の入双地区から北岸部の志垣地区にかけての区間で、時計回りの一方通行規制が実施されます。海岸沿いを通る区間、特に東岸部や南岸部では、海のすぐそばを通過します。このあたりは釣りを楽しむ人が多く見られるため、通行や対向車とのすれ違い（離合）には細心の注意が求められます。さらに、海岸沿いという立地から、台風や集中豪雨などの自然災害に対して脆弱です。路肩が崩壊するなどの被害が発生しやすく、長期間にわたって通行止めとなるケースも少なくありません。通行前には最新の道路状況を確認することが重要です。

地理

この県道が通過するのは、福山市のみです。起点・終点で広島県道53号沼隈横田港線と交差します。沿線には、福山市うつみ市民交流センター、歴史的な王城跡、鳶ガ巣山といった地域施設や景勝地が点在しています。また、瀬戸内海の美しい海岸線を間近に感じられるため、風光明媚なドライブやサイクリングを楽しむ人々にも利用されています。横山海水浴場やドルフィンビーチのような海水浴場、ふれあいの森といった自然を楽しめるスポットも沿線やその近くにあり、地域の生活道路としてだけでなく、観光ルートとしての側面も持っています。甚九岩のような特徴的な海岸地形も見どころの一つです。未決定区間が解消され、完全に一周できる循環線となれば、横島の観光や地域経済にとってもさらなる発展が期待されるでしょう。

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