広島県道397号福田戸手線

広島県道397号福田戸手線とは

広島県道397号福田戸手線（ひろしまけんどう397ごう ふくだとでせん）は、広島県福山市内に存在する一般県道です。この路線は、福山市芦田町大字福田にある起点をスタートし、同じく芦田町大字福田に位置する上河原交差点、すなわち国道486号との交点までを結んでいます。その全体の延長は約1.3キロメートルと、県道としては比較的短い部類に入ります。

路線名の持つ特別な背景

この県道の最も注目すべき点は、その路線名称である「福田戸手線」が示す地名と、実際の路線の終点の位置が一致しないことです。路線名からは、終点が福山市新市町大字戸手にあるかのように思われますが、現実には新市町戸手地区にこの県道の単独区間は存在しません。事実上の終点は、福山市芦田町大字福田の上河原交差点にあります。

このような名称と実際のルートの乖離には、地域の歴史的な経緯が関係しています。過去、特に1974年（昭和49年）3月1日付の中国新聞朝刊で報じられたように、当時芦品郡芦田町に属していた上河原地区（現在の事実上の終点付近）を、隣接する芦品郡新市町大字戸手へ帰属させるという案が存在しました。もしこの地域境界の変更が実現していれば、上河原交差点は新市町戸手に位置することになり、路線名と終点地名が一致したと考えられます。しかし、この帰属変更計画は最終的に実行されず、上河原地区は芦田町に留まったため、路線名と実際の終点の位置が異なったまま現在に至っています。

路線概要

広島県道397号福田戸手線の主なデータは以下の通りです。

起点: 福山市芦田町大字福田（広島県道396号柞磨駅家線との交点）
終点: 福山市芦田町大字福田（上河原交差点、国道486号との交点）
総延長: 約1.3 km

このように、起点・終点ともに福山市芦田町大字福田内に収まっており、路線名にある戸手地区は経路に含まれていません。

路線の歴史

この県道は、以下のような歴史的変遷を経てきました。

1960年（昭和35年）10月10日: 広島県告示第682号により、前身となる広島県道241号福田戸手線として認定を受けました。
1972年（昭和47年）11月1日: 広島県内で県道の番号再編が行われ、現在の県道番号である397号に変更されました。
1974年（昭和49年）4月1日: 芦品郡芦田町が福山市に編入されたことにより、路線の全区間が福山市の市域内に位置することになりました。これに伴い、起終点の地名表記も「芦品郡芦田町福田」から「福山市芦田町福田」へと変更されました。
2003年（平成15年）2月3日: 芦品郡新市町も福山市に編入されました。これにより、路線名に含まれる戸手地区も福山市の一部となりましたが、県道397号線の単独区間が戸手地区に設定されることはありませんでした。

道路の状況と施設

現在の路線状況として、一部には道幅が狭く、車両同士のすれ違いが難しい「狭隘箇所」が存在します。また、路線上にある福戸橋は、芦田川を渡る構造物ですが、この橋には14トンという車両の総重量に関する制限が設けられており、通行に注意が必要です。

この路線に架かる主な橋梁は以下の通りです。

瓜原川橋（有地川）
才町川橋（才町川）
福戸橋（芦田川）

これらの道路施設はすべて、路線の存在する福山市芦田町大字福田の区域内に位置しています。

地理

広島県道397号福田戸手線は、その全区間が広島県福山市を通過します。具体的には、芦田町大字福田内の限られた範囲を通る路線です。起点は同じく福山市芦田町大字福田で広島県道396号柞磨駅家線と接続しており、事実上の終点である上河原交差点では幹線道路である国道486号に接続しています。路線の近くには芦田川が流れ、福戸橋はこの芦田川を渡る橋です。名称に反して新市町戸手地区を通らない点が、地理的な特徴として挙げられます。

短い区間でありながら、その名称の背景に地域の歴史を持つこの県道は、福山市内の交通ネットワークの一部を担っています。

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