広島県道400号藤尾井関線

広島県道400号藤尾井関線について

広島県道400号藤尾井関線は、広島県南東部の主要都市である福山市と、自然豊かな山間地域である神石郡神石高原町を結ぶ一般県道です。この路線は、両地域間の移動を支えるだけでなく、沿線の地域経済や生活、さらには観光資源へのアクセスを担う重要な役割を果たしています。

路線の概要と地理的位置

本路線の起点は、福山市新市町大字藤尾に位置し、主要地方道である広島県道26号新市七曲西城線と接続しています。一方、終点は、神石郡神石高原町井関で、広島県道259号帝釈峡井関線との交点となっています。総延長はおよそ12.5キロメートルと比較的に短い路線ですが、この距離の間に福山市と神石高原町の境界を越え、地形の変化に富む地域を通過します。

この県道は、通過する地域の地形的な特性から、全区間が異常気象時通行規制の対象に指定されています。これは、特に山間部や谷間を通る区間において、大雨による路肩の崩壊や土砂崩れ、冬季の積雪や凍結、さらには強風などにより、道路の安全な通行が困難になる可能性があるためです。異常気象が予測される場合や発生時には、通行止めなどの規制が行われることがあるため、この路線を利用する際は、事前に必ず気象情報や広島県の提供する道路交通情報を確認し、安全に十分配慮する必要があります。

沿革と歴史的背景

広島県道400号藤尾井関線は、1972年（昭和47年）11月24日に、広島県によって一般県道として認定されました（広島県告示第983号）。認定当時の起点の地名表記は「芦品郡新市町藤尾」であり、終点は「神石郡三和町井関」とされていました。

その後、平成の大合併と呼ばれる市町村合併の波の中で、起終点の地名に大きな変更が生じました。まず、2003年（平成15年）2月3日には、起点を含む当時の芦品郡新市町が福山市に編入されました。これにより、起点の正式な表記が「福山市新市町大字藤尾」へと変更されました。

続いて、2004年（平成16年）11月5日には、終点を含む神石郡の三和町、油木町、豊松村、神石町の全4町村が合併し、新たに「神石高原町」が発足しました。この合併により、終点の表記が「神石郡神石高原町井関」と改められ、現在に至る路線の名称と区間が確定しました。このように、この県道の歴史は、周辺地域の行政区域の再編の歴史とも深く関わっています。

沿線の地理と主要施設

本路線は、福山市の一部の地域を経て、神石郡神石高原町へと至ります。特に神石高原町側では、豊かな自然景観の中を通過する区間が多く見られます。

沿線には、地域の人々の生活やレクリエーションに関わるいくつかの主要な施設が存在します。その代表例として、美しい水の流れを見せる藤尾の滝があります。また、地域の水源確保や治水に重要な役割を担う藤尾ダムも沿線に位置しています。さらに、地域住民がスポーツやレクリエーション活動を行うための藤尾スポーツ広場もこの県道沿いに設けられており、これらの施設へのアクセス路としても利用されています。これらの施設は、県道を利用する人々にとって、地域の自然や文化に触れる機会を提供しています。

結び

広島県道400号藤尾井関線は、短いながらも福山市と神石高原町を結ぶ重要な連絡路であり、地域の交通網の一翼を担っています。異常気象時には注意が必要な区間ですが、沿線の自然景観や施設へのアクセスを提供し、地域の活性化にも寄与しています。この路線は、広島県内に数多く存在する県道の一つとして、地域の生活や経済活動を支え続けています。

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