広島県道418号井関加茂線

広島県道418号井関加茂線は、広島県北東部に位置する神石郡神石高原町から、東に隣接する福山市へ至る一般県道です。この路線は、起点を神石高原町の井関地区に持ち、終点を福山市加茂町の北山地区としています。

概要

本路線の正式名称は広島県道418号井関加茂線（ひろしまけんどう418ごういせきかもせん）です。起点は神石郡神石高原町井関に所在する三和の森入口交差点で、ここでは国道182号と接続しています。一方、終点は福山市加茂町字北山に位置し、広島県道21号加茂油木線に接続しています。路線全体の実際の長さ（実延長）は約20.2キロメートルに及びます。この県道は全区間にわたり、異常気象時には通行規制が実施される可能性があります。

歴史

井関加茂線としての歴史は古く、現在の県道に認定されたのは1960年（昭和35年）10月10日のことです。当初は広島県告示第682号に基づき、広島県道208号井関加茂線として指定されていました。その後、1972年（昭和47年）11月1日に行われた広島県道の番号再編により、現在の県道番号である418号に変更されました。

路線の終点に関する地名表記には、その後の行政区画の変更が反映されています。1975年（昭和50年）2月1日、福山市が深安郡加茂町を編入合併したことにより、終点の地名表記が変更されました。また、起点の地名表記についても、2004年（平成16年）11月5日に神石郡内の全町村が対等合併して神石郡神石高原町が誕生したことに伴い、変更が行われています。

路線状況

地域によっては、この県道が「甲道（かぶとみち）」という通称で親しまれています。路線の途上には、他の県道と経路を共有する重複区間が存在します。具体的には、広島県道・岡山県道104号坂瀬川芳井線との重複区間があり、福山市山野町大字山野から同町大字矢川にかけて、両路線が同じ道筋を通ります。

並行する旧街道

本県道は、古い歴史を持つ「平川往来」の一部区間と並行しています。平川往来は、かつての福山城下と備中国平川郷（現在の岡山県高梁市備中町平川にあたる地域）を結んでいた重要な街道でした。福山城下を出た平川往来は、現在の福山市加茂町粟根のあたりで二手に分岐していました。

一つは長右衛門坂（ちょうえもんざか）を越える古い道筋で、これが本県道に並行するルートです。もう一つは堀切峠（通称：七曲）を越える新しい道筋で、こちらは現在の広島県道21号加茂油木線にほぼ並行しています。堀切峠越えの道が整備され、主要なルートとなる以前は、長右衛門坂を越える古い道筋が主に利用されていました。特に、福山藩士の子弟が学問を修めるために誠之館の分校へ通う際にも、この古い道がもっぱら利用されていたと伝えられています。本県道は、福山市の山野町山野地内から加茂町北山地内にかけて、この古い道筋である平川往来と並行して続いています。

地理

広島県道418号井関加茂線が通過する自治体は、広島県内の神石郡神石高原町と福山市の二つです。

路線の起点である神石高原町井関では国道182号と、終点である福山市加茂町北山では広島県道21号加茂油木線とそれぞれ交差しています。また、前述の通り福山市山野町内では広島県道・岡山県道104号坂瀬川芳井線との重複区間があります。

沿線には、自然景観やレクリエーション施設などが点在しています。主なものとしては、三和の森リゾート＆カンファレンスセンター、生活を支える四川ダム、自然美を誇る山野峡やその中の龍頭滝、癒しの山野温泉などがあります。歴史的な場所としては岩屋権現岩穴宮も沿線近くに位置しています。また、広域的な遊歩道である中国自然歩道もこの地域を通っています。

地域住民にとって重要な施設としては、福山市役所広瀬分所や福山市立広瀬学園、広瀬郵便局なども沿線に見られます。

路線が通過する地形的な特徴として、福山市加茂町北山には竹障子峠（たけしょうじとうげ）があります。この峠を越えて、路線は終点へと向かいます。

本路線の詳細や地域の民俗については、『やまの ‐ 福山市山野町の民俗 ‐』などの文献も参考にされています。

広島県道418号井関加茂線