広島県道463号津之郷山守線

広島県道463号津之郷山守線

広島県道463号津之郷山守線は、広島県福山市を通る一般県道です。福山市津之郷町大字津之郷を起点とし、同市駅家町大字上山守に至る路線で、総延長は約5.567キロメートルを測ります。この県道は1977年（昭和52年）2月22日に広島県の告示第129号によって認定されました。

概要と区間

路線の起点は、福山市津之郷町津之郷にある広島県道378号御幸松永線新道との交差点です。そこから東へ向かい、福山市駅家町上山守の山守交差点を終点とします。山守交差点は、広島県道392号中野駅家線、広島県道396号柞磨駅家線、広島県道395号川南近田線が集まる交通の要衝となっています。

路線の特徴

津之郷山守線の最も特筆すべき点は、その中間部にある俄峠（俄山峠）周辺に自動車が通行できない分断区間が存在することです。この区間は、福山市津之郷町津之郷から駅家町今岡にかけて伸びています。

津之郷町側からロシア山弘法大師堂までは比較的整備された舗装道路が続きますが、大師堂を過ぎると道は未舗装の山道へと変わり、車両での通行は事実上不可能となります。この山道が俄峠を越え、駅家町側に下りて山守の手前で再び舗装路となります。

この分断区間は、古くからこの地域で使われてきた俄越（にわきごえ）と呼ばれる旧街道の道筋をほぼたどっており、現代の交通網とは一線を画す歴史的な道として残されています。

一方、路線の駅家町側の一部、具体的には福山市駅家町今岡の先から終点の山守交差点までの区間は、広島県道396号柞磨駅家線と重複しています。この重複区間は地域の生活道路として機能しています。

近年では、路線の改良も進められています。特に2018年（平成30年）3月30日には、津之郷町津之郷の一部区間において、拡幅工事と路線延伸部分の供用が開始されました。これにより、周辺地域の交通利便性が向上しています。

また、本路線の沿線には山陽自動車道の福山サービスエリアがあり、2018年（平成30年）3月31日には福山サービスエリアスマートインターチェンジが供用を開始しました。このスマートインターチェンジへのアクセスは、本路線から直接可能なウェルカムゲートが整備されており、県道が高速道路への接続路としても機能しています。

沿線施設と接続道路

津之郷山守線の沿線には、前述の山陽自動車道福山サービスエリア（スマートインターチェンジ併設）のほか、広島県立福山特別支援学校、俄谷砂留や本谷川砂留といった治水施設、俄山不動明王院や俄山弘法大師堂（弘法さん）などの寺社が点在しています。分断区間を含む山間部の一部は、中国自然歩道としても利用されています。駅家町側には福山市立宜山小学校があります。

路線上には、山陽自動車道を跨ぐ弘法大橋や、芦田川を渡る山守橋（県道396号重複区間内）などの橋梁があります。

本路線が接続する主な道路は以下の通りです。

広島県道378号御幸松永線新道（起点）
広島県道392号中野駅家線（終点）
広島県道395号川南近田線（終点）
広島県道396号柞磨駅家線（重複区間内、終点）

地理

津之郷山守線は、全線が広島県福山市内を通過します。路線は市の南東部にある津之郷町と、北東部の駅家町を結んでおり、その中間にある俄峠は、両地域を隔てる山地を越えるかつての主要なルートでした。現代においては車両通行不能という分断を生じていますが、地域の歴史や地形を反映した特徴的な県道と言えるでしょう。

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