広州足球倶楽部

広州足球倶楽部：激動の歴史を歩む中国サッカーの雄

広州足球倶楽部（こうしゅうそっきゅうくらぶ、Guangzhou Football Club）は、中国広東省広州市を本拠地とするプロサッカークラブです。かつては「広州恒大」として知られ、中国サッカー界を牽引する存在でした。1954年の創設以来、数々の変遷を経て、中国スーパーリーグ（CSL）最多となる8回の優勝を誇ります。しかし、親会社の経営破綻により、2022年には2部リーグへ降格、2023年には解散の危機を迎えるなど、激動の歴史を歩んでいます。

クラブの隆盛と栄光

広州足球倶楽部は、2010年代に大きな飛躍を遂げました。特に、2011年から2017年にかけてはリーグ7連覇を達成し、中国サッカー界にその名を轟かせました。この成功を支えたのは、豊富な資金力による有力選手の獲得と、世界的な名将の招聘でした。ブラジル代表のムリキやリカルド・グラール、イタリア代表のマルチェロ・リッピ監督などがチームを率い、国内外のタイトルを次々と獲得。AFCチャンピオンズリーグ（ACL）も2度制覇し、アジアの強豪としての地位を確立しました。

クラブは、中国不動産バブルを背景に、莫大な資金力を得ていました。この資金を使い、世界的な選手や監督を次々と獲得。中国スーパーリーグやAFCチャンピオンズリーグを席巻し、急速にビッグクラブとしての地位を高めました。しかし、2021年に中国の不動産バブルが崩壊すると、親会社である恒大集団が経営破綻。これによりクラブの経営は一気に悪化しました。

激動の時代と再建への道

親会社の経営破綻は、広州足球倶楽部にとって大きな転換期となりました。2022年には1部リーグから降格。さらに、2023年には解散の危機を迎えるなど、クラブの存続が危ぶまれる状況となりました。かつての栄光は過去のものとなり、クラブは再建への道を模索することになります。

クラブは、降格に伴い、外国人選手の契約を解除。大幅な戦力ダウンを余儀なくされました。しかし、ユースチームの育成に力を入れるなど、未来への投資も継続。クラブは、新たな体制で再起を目指しています。また、広州市内で建設が進められていた8万人収容のサッカースタジアムも、親会社である恒大集団の撤退により、計画が宙に浮いた状態となっています。

クラブの歴史

1954年：中南白隊として創立
1984年：広州白雲山足球倶楽部へ改組
1993年：広州太陽神足球倶楽部としてプロ化
2001年：広州吉利足球倶楽部へ改名
2002年：広州足球倶楽部香雪製薬隊へ改名
2004年：広州日之泉中一薬業隊へ改名
2006年：広州医薬足球倶楽部へ改名
2010年：八百長問題で2部降格、広州恒大足球倶楽部へ改名
2015年：広州恒大淘宝足球倶楽部へ改名
2021年：広州足球倶楽部へ改名
2022年：2部リーグ降格
2025年：解散

主要タイトル

中国超級リーグ: 8回 (2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 2016, 2017, 2019)
中国甲級リーグ: 2回 (2007, 2010)
中国FAカップ: 2回 (2012, 2016)
中国FAスーパーカップ: 4回 (2012, 2016, 2017, 2018)
AFCチャンピオンズリーグ: 2回 (2013, 2015)

提携クラブ

レアル・マドリード
ACミラン
バイエルン・ミュンヘン

広州恒大足球学校

恒大グループが運営するサッカースクールで、元広州恒大監督のマルチェロ・リッピが名誉会長を務めています。スペインのレアル・マドリードと提携し、次世代のサッカー選手育成に取り組んでいます。世界最大規模の育成施設を誇り、国内外から多くの選手が参加しています。

マスコット

広州足球倶楽部の公式マスコットは「C虎」（カントンタイガー）で、女性マスコットの「粤粤」も存在します。

スタジアム

現在のホームスタジアムは、広州市の天河体育中心体育場です。過去には、越秀山体育場なども使用されていました。また、2022年までの完成を目指して新スタジアムの建設が進められていましたが、親会社の経営難により計画は中断しています。

まとめ

広州足球倶楽部は、中国サッカー界を代表するクラブの一つとして、多くのファンに愛されてきました。その歴史は、中国サッカーの発展とともに、激動の時代を象徴しています。親会社の経営破綻や降格といった苦難を経験しましたが、クラブは再建を目指し、新たな歴史を刻もうとしています。今後の動向に注目が集まっています。

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