広徳 (唐)

広徳（こうとく）は、中国の唐王朝、代宗皇帝の治世において用いられた元号の一つです。具体的には、763年7月から764年12月までの期間に使用されました。

元号は、皇帝の治世を区切り、その時代を象徴する名称として用いられます。広徳という元号が選ばれた背景には、当時の政治情勢や社会状況が反映されていると考えられますが、詳細な記録は残っていない部分も多く、歴史研究者の間で様々な解釈がなされています。

広徳の時代は、唐王朝が安史の乱という大規模な内乱を鎮圧した後、再建に向けて歩み始めた時期にあたります。しかし、内乱の影響は大きく、政治・経済・社会の各方面に深刻な爪痕を残しました。中央政府の権威は低下し、地方では節度使と呼ばれる軍閥が力を持ち、半独立的な勢力として割拠するようになりました。また、財政は困窮し、重税が課せられたため、民衆の不満が高まっていました。

このような状況下で、代宗皇帝は様々な政策を打ち出し、王朝の再建を図りました。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。宦官の専横、地方勢力の台頭、相次ぐ自然災害など、様々な問題が山積していました。広徳の時代は、唐王朝が苦難の中で再生を目指した時代であったと言えるでしょう。

以下に西暦・干支との対照表を示します。


関連項目：
* 元号一覧 (中国)

もう一度検索