広東省人民体育場

広東省人民体育場は、中国広東省広州市に位置する多目的スタジアムです。1932年に設立され、中国国内でも有数の古い競技場として知られています。その歴史は古く、広東省の資料によれば、1906年には広東省大運動会で使用されていた記録も残っており、「百年体育場」とも呼ばれています。

当初はスポーツ専用スタジアムとして建設されました。スタジアムが建設された場所は、明朝、清朝時代には軍隊の訓練場であったため、建設後しばらくは「東較場」と呼ばれていました。1950年に中華人民共和国が成立すると、「広東省人民体育場」と名称が変更されました。

このスタジアムは、過去に幾度かの苦難を経験しています。日中戦争や国共内戦の際には破壊され、1950年から1960年代にかけて修復工事が行われました。改修後には収容人数が8,000人から11,000人に拡大されました。その後も、1983年には国際女子サッカートーナメント開催に伴う改修で、4基の照明塔が設置され、収容人数は27,096人に増加しました。さらに、1990年には翌年に開催される第1回FIFA女子ワールドカップに向けて大規模な改修工事が行われ、電光掲示板の設置や座席の増築が行われました。近年では、2010年の広州アジア大会に向けても改修工事が行われています。

このスタジアムは、主にサッカーの試合に利用されており、中国サッカー・甲級リーグ（国内2部リーグ相当）に所属する広東日之泉のホームスタジアムとしても使用されています。また、国際的な大会の会場としても利用されており、1991年のFIFA女子ワールドカップではグループリーグの会場として使用され、1997年には1997 AFC女子選手権の会場にもなりました。2010年アジア競技大会でもサッカー競技などの開催地となりました。

広東省人民体育場へのアクセスは非常に便利で、広州地下鉄1号線の烈士陵園駅から徒歩約350メートルです。これにより、広州市内からのアクセスも容易であり、多くの観客が試合やイベントを楽しむために訪れています。

長年の歴史を持つ広東省人民体育場は、これからも広東省のスポーツ文化の中心地として、その役割を果たし続けることでしょう。

このスタジアムは、単なるスポーツ施設としての役割だけでなく、広州市の歴史と文化を象徴する重要な存在となっています。数々の改修を経て、現代的な施設へと進化を遂げた今もなお、その歴史的価値とスポーツ文化への貢献は色褪せることなく、地元の人々や多くのスポーツファンに愛されています。

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