広母音

広母音とは

広母音とは、発音時に舌と上あごの距離が最も大きく開く母音のことです。この特徴から、舌の位置が低いことから低母音、口の開きが大きいことから開母音とも呼ばれます。広母音は、音声学において母音を分類する重要な要素の一つであり、音色を特徴づける上で重要な役割を果たします。

国際音声記号における広母音

国際音声記号（IPA）では、広母音は以下の記号で表されます。

前舌母音

[a] - 非円唇前舌広母音: 舌を前に出し、唇を丸めずに発音します。例えば、日本語の「あ」に近い音です。
[ɶ] - 円唇前舌広母音: 舌を前に出し、唇を丸めて発音します。ドイツ語のウムラウト「ö」に似た音です。

中舌[[母音]]

[ä] - 非円唇中舌広母音: 舌を中央に位置させ、唇を丸めずに発音します。あまり日本語にはない音です。

後舌[[母音]]

[ɑ] - 非円唇後舌広母音: 舌を後ろに引き、唇を丸めずに発音します。英語の「father」の「a」に近い音です。
[ɒ] - 円唇後舌広母音: 舌を後ろに引き、唇を丸めて発音します。英語の「hot」の「o」に近い音です。

狭めの広母音

広母音ほど舌の位置が低くないものの、それに近い母音を狭めの広母音と呼びます。これは、広母音と半広[[母音]]の中間に位置する母音です。

前舌母音

[æ] - 非円唇前舌狭めの広母音: 舌を前に出し、唇を丸めずに発音します。英語の「cat」の「a」に近い音です。

中舌[[母音]]

[ɐ] - 中舌狭めの広母音: 舌を中央に位置させ、唇を丸めずに発音します。日本語にはあまりない音です。

まとめ

広母音は、発音時に舌と上あごの距離が最も開く母音であり、その位置や唇の形によって様々な種類が存在します。国際音声記号を理解することで、これらの母音の微妙な違いを把握することができます。広母音は言語の音韻体系において重要な役割を果たしており、音声学の基礎的な概念の一つです。

関連用語

狭母音
半狭[[母音]]
半広[[母音]]

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