広済寺 (北京市)

広済寺

広済寺（こうさいじ）は、中華人民共和国北京市西城区に位置する仏教寺院です。中国仏教協会と中国仏教学研究所が境内に設置されており、中国仏教における重要な役割を担っています。

歴史

広済寺は、金の時代（1115年 - 1234年）に創建された古刹で、当初は西劉村寺と呼ばれていました。元代には「報恩洪済寺」と改称されましたが、末年の兵火により一度は廃寺となりました。しかし、明の天順元年（1457年）に、普慧という僧侶が弟子たちと共に資金を募り、再建に着手しました。明朝の皇室からの後援を受け、成化2年（1466年）に再建が完了すると、「弘慈広済寺」の名を賜りました。

その後、明の万暦11年（1583年）と清の康熙38年（1699年）に、それぞれ再建が行われました。中華民国時代には二度の火災に見舞われましたが、その都度再建されています。1952年には地元政府によって寺院が再建され、1959年からは中国仏教協会が境内に設置されました。

1984年には、北京市人民政府によって市文物保護単位に認定され、1972年と1976年にも二度の再建が行われています。中華人民共和国国務院より、1983年に漢族地区仏教全国重点寺院の認定を受け、2006年5月25日には第六批全国重点文物保護単位にも認定されました。

伽藍

広済寺の伽藍は、以下の主要な建造物で構成されています。

山門
天王殿
大雄宝殿（本堂）
圓通殿（観音殿）
蔵経閣

これらの建造物は、長年の歴史の中で何度も再建・修復されており、それぞれの時代における建築様式や装飾が反映されています。

宝物

広済寺には、貴重な文化財や仏教美術品が数多く所蔵されています。主な宝物は以下の通りです。

明代三世仏像：明代に制作された仏像で、釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来の三尊が祀られています。
十八羅漢像：釈迦の弟子である羅漢の像で、それぞれ異なる姿や表情をしています。
康熙漢白玉戒台：清の康熙帝の時代に作られた戒壇で、白い大理石でできています。
乾隆青銅宝鼎：清の乾隆帝の時代に作られた青銅製の香炉です。
明版大蔵経：明代に印刷された大蔵経で、仏教経典の重要な資料です。
雲居寺石経拓片三万余片：雲居寺に収められていた石経の拓本で、3万枚以上あります。
静琬法師の舎利子：唐代の僧侶である静琬法師の遺骨（舎利）です。

これらの宝物は、広済寺の歴史と文化的な価値を物語る貴重な遺産です。

広済寺は、長い歴史の中で、中国仏教の発展に大きく貢献してきました。現在も、中国仏教協会や中国仏教学研究所が置かれるなど、中国仏教の重要な拠点としての役割を果たしています。

もう一度検索