広田尚敬

広田尚敬について

広田尚敬（ひろた なおたか）は、1935年11月19日に東京都で生まれた日本の鉄道写真家です。彼は中央大学経済学部を卒業し、在学中から鉄道に強い関心を持っていました。卒業後は一度会社員として働くものの、1960年にはフリーランスの写真家としての道を歩み始めました。以来、広田は日本国内の鉄道雑誌や書籍だけでなく、アメリカの鉄道専門雑誌「Trains」においても作品を発表し、国際的な評価を得ています。

彼が特に有名になるのは、1970年代から1980年代初頭のこと。この時期、彼は同じく著名な鉄道写真家である南正時と共に、日本を代表する鉄道写真家として名を馳せました。当初は「廣田尚敬」という名前で知られていましたが、子供たちにも理解しやすい名前に変更し、広田尚敬として親しまれるようになりました。彼の撮影スタイルは、ただ単に編成写真を撮るだけではなく、革新的な技術や自作の機材を用いた斬新な作品作りが特徴です。

その中でも、彼の代表的な技法として「動止フォトグラフ」が知られています。この手法では、走行中の列車を自作のスリットカメラで捉えることで、列車が止まったように背景を流す独特の視覚効果を生み出します。この技法により、彼は新たな鉄道風景の表現方法を確立しました。

広田はまた、紅茶を愛する一面も持ち合わせています。彼はかつて小田急電鉄の初の展望席設置列車である3100形「NSE」に乗った際、その車内で飲んだミルクティーの風味が今でも記憶に残っていると語っています。1980年代までは主に鉄道ファン誌で活動していましたが、最近では「レイルマガジン」や各種カメラ雑誌でも幅広く活躍しています。また、ハーブ研究家である妻に同行することから、草花の写真にも秀でた作品を残しています。

彼の二男、広田泉も同じく鉄道写真家として独自の道を歩んでおり、彼とのつながりも広田の作品に影響を与えています。さらに、2009年にはNHK教育テレビの「趣味悠々」で講師を務め、著名な生徒たちに指導を行いました。

代表的な作品

広田尚敬の著作には次のようなものがあります：

• - カラーブックス152 蒸気機関車（1968年）
• - カラーブックス479 近鉄（1979年）
• - カラー日本の鉄道（1972年、共著）
• - 動止フォトグラフ（1982年）
• - 電車の写真家（2004年）
• - JR特急・超特急100点（2006年、共著）
• - 蒸気機関車たち（2006年）
• - 鉄道ものがたり（2015年）

また、鉄道以外でもいくつかの著作を残しており、特に「広田セイ子のNewハーブブック」では、妻の著作に写真を提供しています。

メディアへの出演

彼はテレビ番組でも活動しており、2009年には「拝啓!!鉄道人」（テレ朝チャンネル）や、2010年には「鉄道写真物語 1枚にかける旅」（TwellV）に出演しました。これらの番組を通じて一般の人々に鉄道の魅力を伝える役割を果たしています。

写真展も行っており、2024年には東京都写真美術館および京都市美術館で「The49th Exhibition of The JPS -Juror's Works 2024-」が開催される予定です。これからも彼の作品は多くの人々に感動と刺激を与え続けることでしょう。

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