広視野惑星カメラ2

広視野惑星カメラ2 (WFPC2)

広視野惑星カメラ2（WFPC2）は、以前の広視野惑星カメラ（WFPC）を置き換え、1993年にハッブル宇宙望遠鏡（HST）に搭載されました。ジェット推進研究所（JPL）が製造したこのカメラは、グランドピアノと同程度の大きさで、基本的な役割は、広視野の観測と惑星の詳細な画像を取得することにありました。WFPC2は、1995年のハッブル・ディープ・フィールドや1996年の砂時計星雲など、数々の重要な天体の撮影に利用されました。

設計

WFPC2は、1990年に打ち上げられた前身のWFPCと同様に、視野の広さと解像度を兼ね備えた設計がなされました。このカメラは、内部に光学補償機構を搭載しており、望遠鏡ミラーの収差を補正する役割を果たしました。CCDイメージセンサは、放射の範囲として420nmから1100nmを検出可能であり、可視光から近紫外線、近赤外線のほとんどをカバーしています。これにより、研究者は多様な光のスペクトルからのデータを取得することができました。

WFPC2には4つの800×800ピクセルのCCDがあり、3つは広視野カメラ用にL字型に配置され、1つは惑星カメラとして機能しました。これにより、 WFPC2は広範囲な画像をま収集しつつ、一部のシーンについては高い解像度を反映する能力を備えていました。また、異なる光学フィルターを使用するための回転ホイールも設けられ、特定の電磁スペクトルにおける画像取得が可能でした。

性能

ミッション実施中に、CCDの欠陥が発生し、一部のピクセルが損傷を受けることがありました。そのため、運用チームは毎月の校正を行い、欠陥ピクセルのリストを作成しました。これにより、観測データを誤って分析することを防ぎ、科学者は処理されたデータをより正確に利用できるようになりました。このように、WFPC2の運用は非常に計画的かつ綿密に行われました。

2002年には新たに設置された掃天観測用高性能カメラ（ACS）に大部分の機能が引き継がれました。しかし、2007年にはACSが故障し、一時的にWFPC2がメインの光学カメラとなる場面も見られました。そして、2009年5月にミッションSTS-125で広視野カメラ3に取り替えられ、最終的には地球に戻された後、国立航空宇宙博物館に展示されることとなりました。

WFPC2が撮影した画像

WFPC2によって撮影された画像は、宇宙に関する新たな理解をもたらし、多くの天文学的発見を促しました。その高い解像度と広い視野は、今でも多くの研究者にとって貴重なデータソースとなっています。

最終的に、WFPC2は宇宙探査の進化に多大な貢献をしたカメラとして、未来の技術にも影響を与えるでしょう。

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