STS-125

STS-125：ハッブル宇宙望遠鏡、最後のサービスミッション

STS-125は、2009年5月にスペースシャトルアトランティスによって実施された、ハッブル宇宙望遠鏡（HST）への最後のサービスミッション（HST SM-4）です。当初2008年10月に打ち上げ予定でしたが、直前にハッブル宇宙望遠鏡のシステム不具合が発見され、修理準備のために延期されました。

ミッションの目的

主な目的は、以下の通りです。

故障したメインカメラACS（掃天用高性能カメラ）の交換
バッテリーの交換
新たな観測機器の取り付け
その他、故障箇所の修理

このミッションは、ハッブル宇宙望遠鏡にとって7年ぶり5度目のサービスミッションであり、スペースシャトルが国際宇宙ステーション（ISS）関連以外のミッションで飛行する最後の機会となりました。

困難なミッション

STS-125は、非常に難易度の高いミッションでした。そのため、過去に修理ミッションの経験がある飛行士が選ばれ、2年間にわたる長期の訓練を受けました。

乗組員

スコット・アルトマン (4) — 船長
グレゴリー・C・ジョンソン (1) — パイロット
ジョン・グランスフェルド (5) — ミッションスペシャリスト
K・メーガン・マッカーサー (1) — ミッションスペシャリスト
マイケル・マッシミーノ (2) — ミッションスペシャリスト
アンドリュー・フューステル (1) — ミッションスペシャリスト
マイケル・グッド (1) — ミッションスペシャリスト

※ かっこ内の数字は、今回を含めたフライト経験数。

緊急時救援飛行（STS-400）

STS-125の飛行中に、もしアトランティスが地球への再突入に耐えられないほどの損傷を受けた場合、エンデバーによる救援飛行（STS-400）が準備されていました。軌道傾斜角が異なるハッブル宇宙望遠鏡の軌道では、ISSへの避難は不可能であるため、アトランティス単独で救援を待つ必要がありました。

エンデバーには4人の飛行士が乗り込み、2着の宇宙服を積んで打ち上げられ、アトランティスと軌道上で接近後、乗組員全員が宇宙遊泳でエンデバーに乗り移り帰還する計画でした。無人となったアトランティスは大気圏に再突入し、廃棄される予定でした。

STS-125の成功により、エンデバーはSTS-400からSTS-127へとミッションを移行しました。2機のスペースシャトルが射点に同時に並んだのは、この時が最後となりました。

STS-400で予定されていた乗組員

クリス・ファーガソン — 船長
エリック・ボー — パイロット
シェーン・キンブルー — ミッションスペシャリスト
スティーブ・ボーエン — ミッションスペシャリスト

ミッションの結果

悪天候のため、着陸地点はケネディ宇宙センターからエドワーズ空軍基地に変更されましたが、STS-125は無事に成功を収めました。このミッションによって、ハッブル宇宙望遠鏡は再び宇宙の神秘を解き明かすための強力なツールとなり、数々の重要な発見をもたらしました。

外部リンク

NASAのMission Information - STS-125（英語）

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