庄内空港

庄内空港（しょうないくうこう）

庄内空港は、山形県の酒田市と鶴岡市にまたがる地方管理空港であり、その愛称は「おいしい庄内空港」です。空港のターミナルビルは酒田市の浜中に位置しています。1970年代に日本全体が高速交通時代に突入するなか、庄内地域が取り残されているとの声が高まり、空港設置の要望が生まれました。

施設と概要

庄内空港は、庄内地方の経済発展と交通の利便性を向上させるために設立されました。1970年7月には庄内空港建設を提案する庄内開発協議会が結成され、山形県はこれに応じて『山形県庄内空港整備計画』を策定しました。この計画では、陸路からのアクセスが不十分な庄内地方において空港の重要性が強調されましたが、建設予定地の選定にあたり、地元住民から「美田を潰すな」といった反発が起き、計画は一時頓挫しました。

その後、1970年代後半から1980年代初頭にかけて地域の市町村議会が「庄内空港建設促進に関する決議」を可決し、多くの地元団体が建設推進のための活動を始めました。1986年には政府が「第五次空港整備5箇年計画」に庄内空港の建設を盛り込みましたが、具体的な建設には地権者との調整が必要となりました。反対グループが組織される中、県からの懸命の説得と設計の見直しが行われ、1988年には建設反対運動が解決しました。

その後、空港の工事は順調に進み、1991年10月1日に開港しました。これにより庄内地方は東京や大阪などの大都市に短距離でアクセスできるようになりました。

航空路線と運航状況

庄内空港は全日本空輸（ANA）の東京・伊丹線を中心に、いくつかの国内線を運航しています。特に東京線は、庄内から都心への唯一の高速交通手段として高い人気を誇り、搭乗率も良好です。しかし、競争がないため、割引率は低く設定されています。近年、格安航空会社が新たな路線を開設するも、 COVID-19の影響で運航が中止され、一時的な混乱が見られました。

空港周辺と利用状況

庄内空港周辺には地元企業の進出もあり、企業向けのビジネス利用が増えています。また、長野県諏訪市に本社を置く子会社の東北エプソンが社用機を使用して松本空港との間で定期便を運航しています。年間の利用客数は国内356,529人、国際580人（2013年度）に達していますが、利用状況は年ごとに変動があります。滋養豊かな土地で育った庄内地方の特産品を活かしたマーケティングも行われ、地域資源を活用した空港運営がされています。

空港の特徴とマスコット

庄内空港には展望デッキがある3階建のターミナルビルがあり、屋根は庄内米をモチーフにしてデザインされています。今後の発展の一環として、空港のマスコットキャラクター「まめうさ」や新たに追加された「まめた」など、地域の魅力を発信する取り組みも行われています。

このように、庄内空港は地域の交通ハブとしての役割を果たし続け、今後も地元経済の発展に貢献していくことでしょう。

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