松本空港

松本空港の概要

松本空港（まつもとくうこう）は、長野県松本市と塩尻市にまたがる地方管理の空港であり、別名信州まつもと空港として知られています。この空港は標高657.5メートルに位置し、日本国内の空港の中で最も高い場所にあります。

空港の立地と設置

松本空港は、長野県のほぼ中心部に所在し、松本市の中心から南西へ約9キロ、塩尻市の中心から北西へ約6キロの距離にあります。空港法第5条第1項に基づいて設置されており、長野県が管理を行っています。最も特徴的な点は、国内線が運航されているものの、国際線は一切就航していないことです。空港は高地に位置するため、使用可能な航空機や就航先に制約があることが多いです。

難易度と運航状況

以前は、周囲の山々と標高の高さから、操縦が非常に難しく「日本一着陸が難しい空港」と言われたこともありました。しかし、2020年からRNP-AR（ナビゲーション技術）が導入されたことで、GPSの精度向上も加わり、悪天候時でも安定した離着陸が可能になりました。

かつての800メートル滑走路は1994年に延長され、2000メートルの滑走路を持つことにより、ジェット機の運航も可能になりました。定期便の運航状況は、2016年度には124,240名の利用客があり、そのうち124,232名が国内便の利用者でした。この年の着陸回数は日本国内の空港の中で49位、旅客数では62位に位置していました。

空港の歴史

松本空港は1965年（昭和40年）7月16日に開港しました。以来、長い歴史の中で、様々な便が運航されてきました。1980年代からは高地空港に対応した滑走路の拡張工事が進められ、1994年には新ターミナルビルも完成しました。これにより、大阪、札幌、福岡への定期便が開設され、空港の利用が一層促進されました。

現在の運航状況と利便性

現在では、フジドリームエアラインズ（FDA）が主要な運航会社として運行しています。他にも日本航空が季節運航を行うなど、多様なサービスが展開されています。冬には札幌線や福岡線の運航がありますが、国際線は依然として就航していません。

マイカーでのアクセスも良好で、駐車場はターミナル正面に300台分、空港隣接地に220台分が用意されており、いずれも無料で利用可能です。公共交通機関としてはアルピコ交通が空港連絡バスを運行し、松本バスターミナルとの接続も良好です。さらに、医療搬送などの特別運行も過去には行われており、地域にとっての重要な交通基盤の一つとして位置づけられています。

未来への展望

将来的に、長野県は空港利用状況の改善や新路線の開設を目指しており、国際線の運航も視野に入れています。空港の活性化を図るため、地域との連携を強化し、国内外の需要に応える取り組みを継続的に進める方針です。特に、観光やビジネス需要が多く見込まれる地域との結びつきを強化することで、松本空港のさらなる発展が期待されています。

このように、松本空港はその特異な立地と歴史、利用状況から見ると、地域経済にも大きな影響を与える空港としての役割を果たしています。

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