庄忠家

庄忠家について

庄忠家（しょう ただいえ、生年不詳 - 承久3年（1221年））は、平安時代末期から鎌倉時代前期にかけて活躍した武士であり、現在の埼玉県本庄市栗崎出身の武蔵国児玉党に属していました。児玉党の本宗家4代目、庄太夫家弘の三男で、多くの兄弟を持つ彼は、通称「三郎」と呼ばれました。

武歴

忠家は、寿永3年（1184年）の一ノ谷の戦いで、兄庄太郎家長や庄五郎弘方と共に源氏側に仕官し、揚々たる武功を誇りました。彼の名は『吾妻鏡』に記載され、庄司三郎忠家として源範頼の軍に従った記録があります。文治5年（1189年）、忠家は源頼朝の軍に加わり、兄と共に奥州合戦に出征しました。彼の最後は承久3年（1221年）の承久の乱に見ることができ、弟の庄五郎弘方や兄弘高の子両者と共に鎌倉幕府軍として戦ったものの、宇治橋の合戦で命を落としました。

兄弟愛の伝承

忠家は兵衛佐頼朝に仕官していましたが、弟庄四郎高家は敵の木曾義仲に仕官していました。元暦元年（1184年）、義仲が粟津で敗れた際、忠家は弟が敵陣にいることを悲しみ度々投降を促しましたが、高家は孤忠を守りました。最終的には忠家が高家を捕らえ、義経の計らいで高家は処刑を免れました。この兄弟の深い絆は、互いの忠義や勇気を象徴する伝説として語り継がれています。

重衡の生け捕り

忠家は範頼軍に加わり、一ノ谷城を攻撃した際、平家の大将、三位中将重衡を生け捕るという武功を上げました。この功績は特に評価され、源頼朝は彼に陸奥の所領を授けました。しかし、異なる記録では他の兄弟が捕らえたとされており、研究者の間ではこれに関する論争が続いています。忠家の名が重衡の捕獲に結びついているのは確かですが、その詳細は未解決の神秘となっています。

子孫と系譜

忠家の子孫は金沢氏に発展し、この氏族は秩父郡金沢村が起源とされています。いくつかの系譜が存在しますが、14世紀以降に成立しているため注意が必要です。現在の研究では、忠家の血筋の一部が東北に移住した可能性が示唆されており、庄氏一族の活動の広がりが注目されています。

結論

庄忠家の伝承や武歴は、平安時代末期から鎌倉時代初期の武士の姿を伝える重要な資料であり、彼の兄弟愛と忠義、そして武功は後世に語り継がれるべき価値があります。彼の功績や家族の歴史は、日本の武士道の精神や文化の理解を深める手助けとなるでしょう。

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