床呂郁哉

床呂 郁哉のプロフィール

床呂 郁哉（ところ いくや）は1965年に生まれ、日本の文化人類学者として、特に東南アジアの研究において著名な存在です。彼は東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所で教授を務めており、博士（学術）の学位を有しています。研究分野は多岐にわたり、東南アジアの文化、社会、または人類学的視点からの考察が主なテーマとなっています。

学歴

床呂郁哉は1989年に慶應義塾大学の文学部を卒業。その後、東京大学の大学院総合文化研究科に進学し、1991年に修士課程を修了します。1995年には同博士課程に在籍しましたが、中退しました。そして、2012年には東京大学より学術博士の称号を授与されました。

職歴

彼のキャリアは多様な研究機関での経験に裏打ちされています。1992年から1995年の間、アテネオ・デ・マニラ大学のフィリピン文化研究所で客員研究員として活動し、そこから東京大学教養学部の助手としてスタートしました。1997年には東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所に移り、助手としての職務を果たします。2001年には助教授に昇進し、2015年からは教授として教鞭を執っています。

主な著書

床呂氏は著名な研究者であり、いくつかの重要な著作を著しています。例えば、『社会空間の人類学』という書籍の中では、共著者の西井凉子や田辺繁治と共に、「変容する空間 再浮上する場所－モダニティの空間と人類学」という章を執筆しました。この論文では、モダニティがもたらす空間の変化について深く考察しています。

また、彼は『越境:スールー海域世界から』という著作を1999年に発表し、スールー海域における文化や社会の繋がりについて探求しました。この書籍は、東南アジアの地域における文化的な交流や影響を解明する上で非常に重要な資料とされています。さらに、同じ年に「知識と力:スールー諸島における「イルム」をめぐる一考察」という論文も発表しており、民俗宗教に関する研究を進めています。

研究の意義

床呂郁哉の研究は、現代のグローバルな視点から地域文化を理解するための貴重な窓口を提供しています。彼の業績は、東南アジアにおける人々の生活や社会構造を理解する手助けとなり、学術界での評価も高く、若手研究者たちの指導にも力を注いでいます。

彼の研究は単なる学術的な視点を超え、人々の文化的アイデンティティや歴史的背景を理解するための重要な材料を提供するものとなっており、今後の人類学の発展においても大きな影響を与えることでしょう。

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