庚申社

庚申社（こうしんしゃ）

福岡県直方市の山部地区に位置する庚申社は、神道と仏教が融合した独特の神社です。この神社は、庚申信仰に基づき、猿田彦大神を主神とし、青面金剛が仏教の神として祭られています。庚申信仰の特徴として、三尸説「見ざる聞かざる云わざる」が広まり、これに関連して境内には数百体の猿の石像が彫られています。これらの猿は、申（さる）と猿田彦大神の象徴的な結びつきとして、大事な存在となっています。

祭神と由緒

主祭神である猿田彦大神は、神道における道案内や交通安全の神として知られています。一方で、仏教の青面金剛は、悪霊を退ける力を持つ守護の神です。庚申社は元文2年（1737年）に、唐津の庚申神社から現在の場所に移転してきました。このことからも、その歴史や信仰の背景が伺えます。

行事・祭典

庚申社では、年中行事も盛んに行われています。特に重要な祭りとして、毎年12月5日に行われる例大祭は、大勢の参拝者が訪れ、地域の振興を祈念します。また、8月5日に行われる夏越祭や、毎月5日に行われる月次祭もあります。特に、月次祭は、神の恵みに感謝する一環として1959年から直方中心商店街で開催される「五日市」という大売出しイベントと連携しています。このイベントは、地域活性化にも寄与しており、多くの人々に親しまれています。

所在地と交通

庚申社は福岡県直方市山部601に位置しており、JR直方駅からは徒歩約10分ほどでアクセスが可能です。周囲は自然に囲まれた穏やかな環境で、訪れる人々には心を落ち着ける空間を提供しています。

まとめ

庚申社は、独自の歴史と文化を持つ神社であり、神仏習合の信仰体験ができる貴重な場所です。猿田彦大神と青面金剛を祀り、行事も豊富なこの社を訪れることで、地域の伝統や信仰に触れる機会が得られます。参拝者は、心の穏やかさを感じながら、豊かな自然と歴史的背景を楽しむことができるでしょう。

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