庭野日敬

庭野日敬の生涯と業績

略歴

庭野日敬（にわの にっきょう）は、1906年11月15日に新潟県の農家に生まれました。本名は庭野鹿蔵。彼の人生は、宗教的使命感に導かれた波乱万丈のものです。小学校を卒業後、16歳で上京し、さまざまな職業を経験しましたが、ある日、自身の子供が病気になったことが彼の運命を大きく変えることになります。たまたま出会った祈祷師、綱木梅野の助けにより、娘は快方に向かいました。この経験が信仰の扉を開き、庭野は梅野の弟子として宗教の道に進むことになります。

宗教の道へ

彼は、易学や修験道といったさまざまな信仰の影響を受けた後、1935年に法華経に基づく新宗教である霊友会に入会。新井助信から法華経の教えを学びましたが、1938年には国柱会出身の村山日襄と共に大日本立正交成会を設立します。このとき、彼は庭野日敬と改名し、初代会長に就任します。

教団の成長

教団の運営は、庭野にとって決して容易ではありませんでした。設立当初は、彼の牛乳販売店の2階を本部として運営し、布教に奔走。1943年には村山と石原が退任し、庭野と長沼が指導体制を整えました。1948年には立正交成会、1960年には立正佼成会と名を改め、全国的に教団を拡大していきました。教団の特徴として、信者間で悩みを語り合う「法座」活動が盛んに行われました。

社会貢献と活動

1950年代後半には教団の急成長に伴い、施設不足や布教活動への批判が表面化しましたが、庭野は外部からの意見を真摯に受け止め、教団の運営に改革をもたらしました。信者救済のみならず、社会全体を対象にした活動にも力を入れ、「明るい社会づくり運動」や「一食を捧げる運動」を通じて社会奉仕を行いました。このような活動は、彼に対する信頼を一層深めました。

また、他宗派との協力や国際的な宗教対話にも積極的に取り組みました。1965年には第2バチカン公会議に仏教徒として初めて招かれ、国際的な平和活動に意欲を示しました。1980年にはイランアメリカ大使館人質事件に関してホメイニ師との会談を行い、宗教対話が持つ重要性を再確認しています。

受賞と影響

庭野は1979年にテンプルトン賞を受賞し、日本人初の受賞者としてその名を広めました。他にも多くの賞を受け、広く評価される存在となりました。彼の思想や理念は、多くの信者や宗教者に影響を与えました。

晩年と遺産

1991年に長男の日鑛に会長職を引き継ぎ、名実ともに「開祖」としての役割を果たしました。1999年に亡くなるまで、宗教対話や国際的な平和活動に尽力し続けました。彼の葬儀には約6万人が参列し、彼の生涯の素晴らしさを物語っています。

庭野日敬が残した教えや活動は、今日でも多くの人々に影響を与えています。彼の信仰から生まれたさまざまな運動は、今後も多くの場面で語り継がれることになるでしょう。

もう一度検索