国柱会

国柱会の概要

国柱会（こくちゅうかい、旧字：國柱󠄁會）は、元日蓮宗僧侶の田中智学によって創設された法華宗系の在家仏教団体で、日蓮主義を掲げています。この団体は、戦前の日本において右翼に多大な影響を与えたことで知られています。

名称の由来と標語

「国柱会」という名称は、日蓮が提唱した三大請願の一つである「我日本の柱とならん」から採られました。団体の正式名称は「本化妙宗」であり、智学独自の造語である「八紘一宇」を最初に示したのは国柱会です。また、「日蓮主義」という用語もここで初めて使われました。これは明治以降に流入した西洋の哲学の影響を受けたものでもあり、日蓮の教えの近代的体系化を意味しています。

基本的な思想と信仰

国柱会の根本理念は、形骸化した伝統宗門を改革し、在家主義の立場から宗教の近代化を目指すことです。国柱会の教学の成果は、現在も「師子王文庫」や「真世界社」などに受け継がれています。この団体は、法華一乗のもとで宗派や宗教の統一を目指し、皇祖皇宗に基づいた日本国体の体系化を究極の目標としています。さらに、智学の思想には、「全国の神社に祀られる主神は皇祖神に統一されるべき」との主張があり、神道的な要素が色濃く残ります。

信仰体系では、釈尊を教祖、日蓮を宗祖として、本尊には日蓮大聖人の「佐渡始顕の妙法曼荼羅」を据えています。

歴史の展開

国柱会の歴史は、智学が日蓮宗の教義に疑問を持ち、還俗して最初に設立した「蓮華会」にまで遡ります。1880年に横浜で結成されたこの組織は、後に「立正安国会」と改称し、仏教の近代化を目指しました。その後、1902年には日蓮仏教の教学を組織的に体系化した「本化妙宗式目」を発表し、国教化を目指す王仏冥合思想を唱えました。

1914年には現在の「国柱会」に改称され、団体活動の一環として「国性文芸会」が設立されました。1923年には議会政治にも参画し、国立戒壇の設置を主張しましたが、1942年には結社不許可処分を受け解散となりました。

戦後、国柱会は再建され、現在も「純正日蓮主義」を掲げて活動していますが、戦前のような影響力は薄れてきています。2005年には世代交代があり、田中家によるリーダーシップが継承されました。

活動の展開

国柱会は1960年に日蓮聖人門下連合会を発足させ、他の法華宗と共同で多くの事業を行ってきました。著名な会員には、軍人の石原莞爾中将や作家の宮沢賢治などがいます。

結論

国柱会は、日蓮主義を根ざし、日本の宗教界において独自の位置を占める組織です。戦前と比較すると影響力は薄れていますが、今なお在家主義と国粋主義の立場から活動を続けています。

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