康子内親王

康子内親王の生涯と人柄

康子内親王（やすこないしんのう）は、平安時代に活躍した皇族で、その生涯は多くの人々に知られています。919年に生まれ、957年に亡くなるまで、彼女は藤原師輔の4番目の妻として知られています。彼女は一品、准三后という称号を持っていました。

家族背景

康子内親王は醍醐天皇の第十六皇女であり、母は皇后の藤原穏子です。彼女には同母兄の保明親王と、同母弟に後の朱雀天皇である寛明親王、村上天皇である成明親王がいます。母の穏子が35歳の時に生まれた康子は、兄とは16歳の年の差があり、皇太子の妹として特別な待遇を受けて成長しました。

幼少期と成長

康子は承平3年（933年）に裳着の儀を迎え、小野道風によって作られた屏風が献じられるなど、皇族の中でも特に注目されていました。後には源公忠による和歌が知られていますが、その後は結婚の話が持ち上がらず、母親の住処である弘徽殿後昭陽舎で静かな生活を送ることとなります。しかし、母の後を追うようにして彼女の生活は静まり返っていったようです。

藤原師輔との結婚

彼女の人生は大きく変化しました。康子は35歳の時に藤原師輔と結婚しますが、この婚姻は皇女が臣下と結婚するという前代未聞のことでした。この結婚は本人の意志というより、母の死後の孤独感から生まれたものであった可能性があります。実際、藤原師輔は妻である雅子内親王を亡くしたばかりで、康子との関係は正式な儀式を経る前に深まったといわれています。このことは『大鏡』にも記述されており、弟の村上天皇の前で実頼にその不品行が暴露される場面も紹介されています。

子どもと悲劇

康子は36歳の時に師輔の十一男を出産し、さらに懐妊しましたが、体調を崩し「まろは悪き心地するなむ」と語っていたことが『栄花物語』に記されています。この言葉の通り、康子は天暦10年に師輔の十二男を出産した後、産褥により亡くなってしまいます。その子どもは後に宮中で育てられ、藤原公季へと成長します。康子の遺体は桂川の河原で荼毘に付されましたが、墓所は不明です。

人柄と遺品

康子内親王は、歌に関してはあまり知られていないものの、手先が器用であり、夫のために多くのしとうずを縫っていたと言われております。彼女の遺品が発見された際には、夫のために縫われた品が多数出てきたとのことです。現代において彼女の人柄や生活様式を知ることができるこの逸話は、彼女が妻としてどれほど思いやりを持った存在であったかを物語っています。

康子内親王の生涯は、平安時代の女性の立場や皇族の在り様を知る上で貴重な資料となるでしょう。

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