廃妃慎氏

廃妃慎氏の生涯と背景

廃妃慎氏、またはペビシンシとして知られる彼女は、1476年12月15日に生まれ、1537年5月16日にこの世を去った。彼女は、李氏朝鮮の第10代国王である燕山君の王妃であり、特にその波乱に満ちた生涯が注目される。

本貫は居昌慎氏で、彼女の父は居昌府院君の慎承善であり、母は中牟県主の娘である。姉妹や従姉妹には、後に第11代国王中宗の王妃となる端敬王后がいる。

婚姻と王妃への昇格

慎氏は1488年、まだ即位前の燕山君と結婚し、世子嬪としての地位を与えられた。彼女には1491年に徽慎公主が生まれたが、残念ながら彼女を除くほとんどの子供が早世してしまった。1494年には、燕山君が王位に就くのに伴い、王妃に昇格した。

暴力と抵抗

1504年、甲子士禍の際に燕山君が義母である慈順大妃に対して暴力を振るおうとした事件が起こる。この時、慎氏は夫の行動に対して勇敢に立ち向かい、彼を阻止しようと試みた。この出来事は、彼女の強い意志を示すものであった。

王妃の廃位

しかし、1506年に朴元宗が引き起こしたクーデターによって、燕山君は廃位された。これにともない慎氏も王妃の地位を失い、居昌郡夫人に降格されてしまった。その後、彼女の夫は江華島に流刑されることになり、慎氏は漢陽に残ることとなった。

晩年と死去

廃位後の慎氏は、穏やかな生活を送ることはできなかった。彼女は一族の困難な状況と向き合いながら、62歳でこの世を去ったという。

家族について

慎氏の家族はその後も波乱に満ちた運命を辿る。父の慎承善は1436年に生まれ、1502年に亡くなった。母は中牟県主の李氏で、彼女の家族も歴史的に重要な役割を果たしていた。姪の端敬王后も高い地位にいたが、多くの子供たちが早くに亡くなり、家系は拡がらなかった。

慎氏には、長女の徽慎公主の他、長男の李𩔇（イ・ファン）、次男の李誠（イ・ソン）などがいたが、彼らの多くも運命に翻弄された。特に、中宗反正の際に賜死されたことは、彼女の心に深い影を落としたであろう。

メディアにおける登場

廃妃慎氏の物語は、数多くのテレビドラマでも取り上げられている。例えば、2007年から2008年に放送された『王と私』にはパク・ハソンが、2011年の『インス大妃』ではホン・ソヒが、2017年の『七日の王妃』ではソン・ジインがその役を演じた。このように彼女の存在は、韓国の文化や歴史において長きにわたり語り継がれている。

彼女の波乱に満ちた人生は、李氏朝鮮の歴史において重要な位置を占めています。

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