廣井脩

廣井 脩（ひろい おさむ）について

廣井脩（1946年9月7日生まれ）は、日本の著名な社会学者であり、防災教育と災害情報研究の分野において多大な貢献を果たした人物です。彼は群馬県沼田市に生まれ、群馬県立沼田高等学校を卒業後、東京大学に進学。1969年に文学部心理学科を卒業し、1975年には社会学専門課程の博士課程を修了しました。その後は大学院での教職を経て、様々な研究機関や大学で教鞭を執り、教育と研究を通じて防災士の育成に尽力しました。

主な経歴

廣井脩は、東京大学新聞研究所の助手としてキャリアをスタートしました。1980年に助教授、1992年には教授となり、後に東京大学社会情報研究所の長を務めました。特に防災教育においては、1996年に静岡県立大学に防災総合講座の開設メンバーとして参加。これによって、静岡県内の防災士が5年間で250名も養成されるという成果を上げました。この実績により、2001年には防災士制度検討委員会の委員長に任命され、さらには日本防災士機構の設立にも関与しました。

日本災害情報学会初代会長を務めた廣井は、その業績を称えるために「廣井賞」という賞を設け、2007年から今もなお、災害情報分野において顕著な貢献をした個人や団体を表彰しています。彼自身も防災功労者賞など多くの栄誉を受けており、特に2006年には従四位瑞宝中綬章が授与されました。

著作と研究

彼はまた、その研究成果を著書や訳書として発表しています。1986年には「災害と日本人―巨大地震の社会心理―」を出版し、これが注目を集めることとなりました。その後も「災害報道と社会心理」や「流言とデマの社会学」といった著作を通じて、災害時における人々の行動や心の在り方に関する洞察を提供しています。彼の研究は、防災教育の重要性を訴えるだけでなく、社会心理学の観点からも非常に豊かな価値を持っています。

家族

廣井脩には長男がおり、彼もまた学者として知られる東京大学大学院工学系研究科の教授、廣井悠です。

まとめ

廣井脩の業績は、単なる学問の枠を超え、実際の防災活動や教育に大きな影響を与えました。彼の努力により、防災士制度が確立され、多くの防災士たちが世に出ることができました。防災に関する彼の研究や活動は、今後も多くの人々の命を守るための重要な基盤となり続けるでしょう。

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