廣瀬直己

廣瀬直己のプロフィール

廣瀬直己（ひろせ なおみ、1953年2月1日生まれ）は、日本の実業家で、エネルギー業界において重要な役職を数多く務めてきました。彼は、東京電力ホールディングスの社長、副会長、そして現在は世界エネルギー会議の副会長や日本動力協会の会長を務めています。

学歴と若き日々

東京都渋谷区原宿に生まれた廣瀬は、原宿幼稚園から始まり、地元の学校に通いながら成長しました。特に、東京都立新宿高等学校でには音楽に親しみ、作曲家の坂本龍一の1年後輩として名を知られています。また、大学時代はロックバンドのボーカルを務めるなど、音楽活動にも積極的でした。1976年に一橋大学の社会学部を卒業し、東京電力に入社しました。

彼が東京電力へ入社を決意した背景には、厳しいオイルショックの影響もありました。就職活動が遅れていた中、東京電力は長期間の採用活動を行っていたことから、最終的に彼は同社に入社しました。

社業での進展

廣瀬は入社から早い段階で才能を発揮し、社業において重要な役割を担いました。1983年にはイェール大学経営大学院で経営学修士（MBA）を取得し、成績優秀であったためティーチングアシスタントも務めたのです。

1990年前後からは、平岩外四社長の秘書役を8年間務め、国際的な舞台でも活躍しました。彼は日米貿易摩擦の交渉などにおいて通訳を担当し、非常に多岐にわたる経験を積みました。その後も企画部、営業部門、原子燃料部、国際部など様々な部門を経て、営業部長としての役割を果たしました。

営業部長を務めていた時期には、若手社員の意見を反映させたエコキュートの開発に成功したほか、オール電化住宅の推進に関するマーケティング戦略も展開しました。これにより彼の考え方や柔軟なアプローチは、イェール大学での授業の教材として採用されるなど、業界内外での評価を高めました。

代表執行役社長への昇進

2010年には東京電力の取締役に選出され、翌年には福島第一原子力発電所事故を受けて新設された福島原子力被災者支援対策本部の副部長に就任しました。彼は状況を真摯に受け止め、被害者への対応や賠償に尽力したことが評価され、枝野経済産業大臣からも高く評価されました。

2012年には次期社長に就任することが決まり、「東京電力が好きなので、この困難な状況から逃げ出すことはできない」と述べ、被害者への支援と電力の安定供給をめぐる取り組みを誓いました。

後の経歴と評価

2017年には社長を退任し副会長に就任。その後、副会長としての職務を経て、2020年には会社から退任し、参与という形で東京電力に関与し続けています。また、エネルギー関連の各種団体での役職も担っています。

彼は人当たりの柔らかい性格と、高いコミュニケーション能力で知られており、周囲との良好な関係を築くことに心掛けています。趣味としてプロ野球の阪神タイガースのファンであり、職場には選手の色紙や甲子園球場の模型を飾るなど、プライベートの一面も垣間見えます。

結語

廣瀬直己は、エネルギー業界において重要な役割を果たしながら、日本経済の発展に貢献してきた実業家です。彼の業績や人柄は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索