建久

建久 (けんきゅう)

建久（けんきゅう）は、文治の後、正治の前に位置する日本の元号で、1190年から1199年までの約10年間を表しています。この時期の天皇は後鳥羽天皇と土御門天皇であり、政治的な動きや社会の変化が顕著に見られる時代でした。

改元の背景

建久が始まる前年の文治6年4月11日（西暦1190年5月16日）、三合により改元が行われました。これは、当時の文書や歴史書に記載されたもので、『百錬抄』に基づいています。建久は、文治からの連続性を持ちながらも、政治と社会において重要な変化が起こることを予感させるものでした。また、建久の終了日は建久10年4月27日（西暦1199年5月23日）であり、この日をもって正治に改元されました。

重要な出来事

建久期に発生した重要な出来事には、主に以下のものがあります：

• - 後白河法皇の崩御（建久3年3月13日）：後白河法皇が崩御したことは、当時の政治に大きな変動をもたらしました。その後、源頼朝が征夷大将軍となり、鎌倉幕府を開くという歴史的な瞬間が訪れます。
• - 源頼朝の征夷大将軍就任（建久3年7月12日）：源頼朝が征夷大将軍に任命されたことは、武士政権の時代の幕開けを象徴しており、彼の手によって鎌倉幕府が成立しました。
• - 曾我兄弟による仇討ち（建久4年5月28日）：富士の狩場にて、曾我兄弟が父の仇を討つという凄惨な事件が起き、これが後に民間伝説や物語として語り継がれることとなります。
• - 建久七年の政変（建久7年11月25日）：九条兼実が関白を罷免される事件は、権力闘争を象徴するものであり、政治的緊張が高まる中で起きました。
• - 皇位の譲位と院政開始（建久9年正月11日）：後鳥羽天皇が土御門天皇に譲位し、院政を開始するという重要な決断を下しました。この出来事は、その後の政治構造に深い影響を与えました。
• - 源頼朝の急死（建久10年正月13日）：建久期の最終年には、源頼朝が急死するという重大な出来事が発生し、彼の後を襲った源頼家が新たな時代を迎えることとなります。

まとめ

建久は、日本の歴史の中でも特に重要な時期に位置付けられる元号です。この期間に生じた政治的な出来事は、後の日本における武士政権の礎を築いたといえます。分かりやすく説明すると、建久期は権力の変遷と武士の台頭が顕著に見られ、その後の歴史においても重要な位置を占めています。

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