建具

建具について

建具（たてぐ）は、さまざまな建物の外壁や内部に設置される、開閉可能な設備を指します。具体的には、引き戸や障子、襖（ふすま）などが含まれ、外部の開口部や内部の仕切りとして機能します。また、2020年には「伝統建築工匠の技：木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコの無形文化遺産に登録され、その中に「建具製作」が含まれています。これにより、建具の技術は従来の枠を超え、下駄箱や座卓、行燈といった様々な木製品の製作にも応用されています。

建具の種類

建具は大きく分けて、外部建具と内部建具に分類されます。

外部建具

外部建具には、窓、サッシ、ドア、雨戸といった、建物の外側に設置されるものが含まれます。これらの建具には、厳しい環境条件に耐えられるよう、耐風圧性や気密性、水密性などさまざまな性能が求められます。また、断熱性や遮音性、防火性といった機能も重要であり、外部建具の選定においては、これらの性能が考慮されます。

内部建具

内部建具は、障子や襖、内装ドア、クローゼットドア、浴室ドアなど、建物の内部に配置される開閉式の設置物です。内装ドアはさらに、ユニット（枠付き）とリーフ（フラッシュ戸やかまち戸）に分類され、さまざまなデザインや機能を持つプロダクトが存在します。内部建具は、空間の仕切りとしての役割を果たすとともに、インテリアのスタイルにも影響を与えます。

建具金物

建具に取り付けられる部品や金物も重要な要素です。これらには丁番、戸車、レール、錠前といったアイテムが含まれ、建具が円滑に機能するためには欠かせない存在です。正確な取り付けと適切なメンテナンスが求められ、これにより建具の耐久性が保たれます。

建具師の歴史

建具師の起源については、鈴志野勤の著書『細工師』に記載があります。江戸時代、最初の建具師である足立屋倉吉が江戸城改築の建具を担当したとされ、御用建具師の名を許されたとされています。文化・文政の時代には、一般の大工の中に造作専門の者が存在し、建具はそのような専門工が建設現場で手がけていました。ところが、時代が進むにつれて建具製造が専門化され、次第に高度な技術が要求されるようになりました。特に、天保時代には建具師という職業が確立され、これが日本の伝統的な建築技術の一端を担うこととなりました。

まとめ

建具は、建物の構造と機能に深く関わり、私たちの日常生活に欠かせない存在です。外部建具と内部建具の両方が異なる役割を掴み、さまざまな技術と知恵が集結して作られています。これらの技術を受け継ぐことは、私たちの文化を守る重要な使命でもあります。

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