建設物価調査会

一般財団法人 建設物価調査会について

一般財団法人建設物価調査会は、日本の建設業界における重要な情報源として、建設工事に関する様々な価格情報の調査・出版を行っている団体です。国土交通省所管の財団法人から、公益法人制度改革に伴い一般財団法人へと移行しました。

歴史

建設物価調査会の前身は、戦後の1947年に大阪で設立された大阪物価調査会に遡ります。当時、建設資材の価格は個々の情報に基づいていたため、標準化・統一化が求められていました。同調査会の設立により、客観的で信頼性の高い価格情報が提供されるようになり、建設業界の発展に貢献しました。

1955年には建設省の認可を受け、全国10都市に支部を設置。各地で物価調査を実施し、その結果を出版物として提供することで、建設業界における価格情報の共有化を推進しました。

主な事業

建設物価調査会の主要な事業は、建設資材や労務費の価格調査と、その結果をまとめた出版物の刊行です。

建設物価

毎月発行される書籍「建設物価」は、上水道、下水道、道路、河川、港湾、建築、土木など、幅広い分野で使用される資材の単価を網羅的に掲載しています。地域別の価格情報も提供しており、公共工事だけでなく民間工事においても、積算の根拠となる重要な資料として活用されています。

書籍版に加え、Web版「建設物価」（株式会社建設物価サービスが運営）でも同様の情報を提供しており、利用者の利便性を高めています。

資材単価の調査

建設物価調査会と経済調査会は、建設資材の市場価格を調査し、標準的な価格を取りまとめています。使用頻度が高く価格変動の大きい資材は毎月、頻度が低く変動の少ない資材は年数回調査を実施。約6～7万規格もの資材が調査対象となっています。

主な出版物

土木工事積算標準単価: 歩掛、人件費、材料費を基にした標準的な単価を掲載。積算の基礎となる情報を提供します。
下水道工事積算標準単価: 下水道工事における標準的な単価を掲載。同様に積算の基礎資料として利用されます。
土木工事積算基準マニュアル: 歩掛、建設機械損料、材料費などを含めた具体的な積算例を掲載。施工単価や機械運転単価、経費計算など、実践的な情報が満載です。
下水道工事積算の実際: 土木工事積算基準マニュアルと同様、下水道工事における積算例を詳細に解説。実際の積算業務に役立つ情報を提供します。

これらの出版物に掲載されている材料費は、地域によって異なるため、利用者は必要に応じてデータを加工する必要があります。しかし、掲載されている金額の信頼性は高く、歩掛から導き出した施工単価の検算にも利用されています。

同業者と強み

同様の調査業務を行う団体として経済調査会がありますが、近年では民間の設計コンサルタント業者も資材調査に参入しています。そのような状況下でも、建設物価調査会は60年を超える豊富な経験とノウハウを活かし、資材・建設業者、国、自治体からの信頼と高い評価を維持しています。

建設物価調査会は、長年にわたり建設業界の発展を支えてきた実績と、質の高い情報提供を通じて、今後も重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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