弓立社

弓立社は、東京都千代田区に本社を置く日本の出版社です。

沿革

1972年12月、徳間書店の編集者であった宮下和夫氏によって設立されました。最初の出版物は、吉本隆明氏の講演集である『敗北の構造』でした。設立当初は東京都荒川区西日暮里に事務所を構えていました。

同社は、吉本隆明氏の著作を軸に、岡田英弘氏や副島隆彦氏といった歴史・人文系の著者の書籍を数多く出版しました。また、コミックやサブカルチャー分野にも進出し、1985年に発行された『東京女子高制服図鑑』は、社会現象となった制服ブームの先駆けとなりました。この書籍は、当時の女子高生の制服を詳細に解説し、そのコレクション的な側面が注目を集めました。

2011年10月、宮下和夫氏は長年の友人で、当時編集者として同社を支えていた小俣一平氏に会社を譲渡し、自身はフリーの編集者として、主に吉本隆明氏関連の著作の編集に携わっていました。宮下氏は2022年2月に79歳で逝去されました。

出版の特徴

弓立社の出版物は、単なる流行や商業主義に走ることなく、独自の視点と深い洞察に基づいたものが多く、幅広い読者層から支持されてきました。特に、吉本隆明氏の著作は、思想界に大きな影響を与え、現在でも多くの読者を惹きつけています。また、歴史・人文系の書籍では、専門的な知識をわかりやすく解説することで、一般の読者にも興味を持ってもらえるように工夫されています。サブカルチャー分野においては、独自の切り口で新たな潮流を生み出すなど、常に時代を先取りする企画力が特徴です。

関連出版

宮下和夫『弓立社という出版思想　出版人に聞く19』聞き手小田光雄、論創社、2015年

この書籍では、弓立社の創業者である宮下和夫氏が、自身の出版思想や会社設立の経緯、出版業界への思いなどを語っています。聞き手は、出版業界に詳しい小田光雄氏です。弓立社の歴史や出版理念についてより深く知ることができる資料となっています。

関連項目

日本の出版社一覧

弓立社は、日本の数多くの出版社の一つであり、日本の出版文化の一翼を担っています。

外部リンク

* 有限会社 弓立社

公式ウェブサイトでは、弓立社の出版物や活動に関する最新情報を確認することができます。

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