引木孝夫

引木 孝夫のアイスホッケー人生

引木 孝夫（ひきぎ たかお）は1944年10月30日、北海道釧路市に生まれたアイスホッケーの名選手です。彼は長いキャリアを通じて日本のアイスホッケー界に多大な貢献をし、多くの栄誉を受けました。

経歴の始まり

彼は釧路市立鳥取小学校と鳥取中学校を経て、釧路工業高校を卒業すると、1963年に王子製紙に入社しました。入社した年からセンターFWとしてレギュラーに定着し、その後、1966年から1982年までの17シーズンにわたり、日本リーグで活躍。特に、第1回日本リーグでは最優秀選手に輝くなど、彼のプレーは多くの記録を残しました。

日本代表としての躍進

引木は日本代表のFWとして国際舞台にも挑戦しました。世界選手権には7回、オリンピックには2回（1968年グルノーブル、1972年札幌）出場し、世界の舞台でその名を知られる選手となりました。特に1967年の世界選手権はCグループでの全勝優勝を果たし、彼の偉業は評価されます。1970年にはBグループのベストFWにも選出され、国際的にもその実力が認められました。

チームでのリーダーシップ

また、彼は特にチームのリーダーとしての役割が際立ちました。1972年には主将に選出され、1973年からはコーチを兼任するなど、指導的な立場でもチームを牽引しました。選手兼任監督としても活躍し、1981年の日本リーグ開幕戦では、試合の最後に決勝点を決めることに成功しました。その試合後の彼の言葉は「まさかシーズン最初の試合から出るとは思わなかった。きつい」と、選手としての厳しさを物語っています。

指導者としての道

引木は1983年に監督専任に転身し、その後も数々の成功を収めました。1987年の試合では、GKを外して6人攻撃を選択したことが印象に残ります。この非凡な決断が試合の勝敗にどう影響したのかを、彼は星野仙一との会話の中で振り返り、「これは単なる作戦ではなく、勝つための決意を選手に伝えた」ことを強調しています。

1990年には総監督に就任し、彼の指導の下で日本リーグで5回の優勝を果たしました。引木は日本のアイスホッケー競技の普及にも尽力し、1995年の退任までその情熱は衰えることはありませんでした。

受賞歴とその後の活動

引木は、1995年9月25日に「苫小牧市スポーツマスター」の称号を授与され、長年の功績が認められました。彼のアイスホッケーへの情熱と貢献は、日本のスポーツ界においても多くの人々に影響を与えています。現在は活動を終えていますが、彼の残した足跡は多くの方に記憶され続けることでしょう。

著書

また、引木は自身の経験を元に『アイスホッケーの技術と戦術』（講談社、1985年）という著書も発表し、スキルと戦術に関する知識を広めています。

引木孝夫のアイスホッケーの旅は、彼個人の成功だけでなく、日本のアイスホッケーの発展にも寄与した名エピソードに溢れています。

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