引田重夫

引田重夫：最後の官選岩手県知事の経歴

引田重夫（ひきた しげお）は、1899年（明治32年）10月に北海道で生まれ、没年は不明です。日本の内務・厚生官僚として長く活躍し、歴史的にも重要な位置を占める最後の官選岩手県知事として知られています。

華麗なるキャリア：地方行政の中枢を担う

引田は、第一高等学校を卒業後、1924年に東京帝国大学法学部を卒業。同年、高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省しました。その後の経歴は、まさに地方行政の中枢を担ってきたと言える輝かしいものでした。大分県属を皮切りに、大分県速見郡長、同県社会課長、秋田県学務課長、同地方課長、福島県地方課長、同庶務課長、京都府庶務課長、宮崎県経済部長と、要職を歴任。さらに、厚生省においても職業部紹介課長、同業務課長、同職業局総務課長と、重要なポストを経験しています。長野県内政部長を経て、1947年1月11日、岩手県知事に就任しました。

岩手県知事としての活動と退任

岩手県知事在任中は、県議会議員選挙や知事選挙の執行など、重要な行政業務に携わりました。しかし、その在任期間は比較的短く、同年4月12日に知事を退任しています。その理由については、資料が不足しており詳細は不明です。

知事退任後の活躍

知事退任後は、総理庁事務官や札幌地方経済安定局長といった要職に就き、その経験と能力を活かして活躍を続けました。その後は、そごうの相談役を務めるなど、民間セクターでもその手腕を発揮したと推測されます。

豊富な経験と多様なキャリア

引田重夫の経歴は、地方行政における多様な経験と高い能力を示しています。内務省から厚生省へと渡り歩き、地方自治体の要職を歴任したことは、日本の行政組織の変遷を理解する上で重要な視点を与えてくれます。また、知事退任後も官僚組織や民間企業で活躍したことは、彼の能力の高さと時代の変化への対応力の高さを物語っています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年
* 人事興信所編『人事興信録』第14版 下、1943年

これらの資料を元に、引田重夫の生涯と功績をより深く理解することが可能となります。彼の活動は、戦後の日本社会の形成に貢献したと言えるでしょう。今後、さらなる研究によって、彼の詳細な業績や人物像が明らかになることが期待されます。

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