引退競走馬杯

引退競走馬杯(RRC) ― 競走馬のセカンドキャリアを応援する競技大会

引退競走馬杯(RRC)は、[日本中央競馬会]や地方競馬で活躍したサラブレッドが、引退後も乗馬として活躍できる場を提供する、全国乗馬倶楽部振興協会主催の乗馬競技大会です。2018年度から開催され、競走馬のセカンドキャリア支援、乗馬・馬術競技の普及、そして乗馬関連技術の向上に大きく貢献しています。

大会概要

RRCでは、障害馬術、馬場馬術、総合馬術の3種目が行われます。年間を通して複数回の予選大会が開催され、各競技の上位入賞馬が、年末のファイナルコンテストに進出します。このファイナルコンテストで、各競技の年間チャンピオンが決定します。ファイナルコンテストの開催地は馬事公苑です。年間チャンピオンシップへの出場枠は、障害馬術30頭、馬場馬術14頭、総合馬術SS賞受賞馬となります。

出場資格

出場できる馬は、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルに血統登録されたサラブレッドで、JRAまたは地方競馬に所属し、3年前の1月1日以降に出走経験のある馬です。年齢は3歳以上ですが、未出走馬の場合は7歳以下に制限されます。

馬の健康と福祉を第一に考慮し、競走馬引退後から大会出場までの適切な期間を設け、リトレーニングや馬体のケアを行うことが求められます。FEI（国際馬術連盟）の馬のスポーツ憲章に基づき、馬の福祉に配慮した運営が徹底されています。

出場は原則として1頭につき1種目のみです。複数種目への出場はできません。また、障害馬術や馬場馬術において、前年度の上位入賞馬は、同じ種目の複数大会への出場が制限されます（ただし、異なる種目へのエントリーは可能です）。

2022年度からは、馬場馬術において新馬育成を目的としたルールが導入されました。鞭の使用は任意となり、水勒のみの使用が認められますが、その他の矯正道具の使用は禁止されています。総合馬術では、競技への参加にあたり、馬の状態を事前に確認するインスペクションが導入されました。これにより、より安全で適切な状態で競技に参加できるよう配慮されています。

大会への参加を通して

RRCは、引退した競走馬に新たな活躍の場を提供するだけでなく、乗馬業界全体の発展にも貢献しています。元競走馬の能力を最大限に活かすリトレーニング技術の向上、乗馬・馬術の普及、そして乗馬を愛する人々の裾野を広げることを目指しています。RRCは、競走馬のセカンドキャリアを応援する、重要な役割を担う競技大会なのです。

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