弘前師管区部隊

弘前師管区部隊の概要

弘前師管区部隊は、1945年4月から11月まで日本の東北地方、特に弘前に配置された大日本帝国陸軍の部隊です。この部隊は、非作戦部隊や地域防衛組織を統括する形で組織され、東北軍管区部隊に所属していました。兵団文字符は「陸」であり、歴史的にはその地域防衛に重要な役割を果たしていました。

編成の詳細

弘前師管区部隊は1945年4月に新たに設立され、留守師団からの転換が中心となりました。部隊には留守師団を構成していた司令部や補充隊の他にも、様々な非戦闘部隊や官衙が編成に含まれており、内容は多岐にわたっていました。具体的には、弘前師管区司令部は留守第57師団の司令部を改称した形で構築され、司令官以下の人事も4月1日に発令されましたが、実際の編成は4月10日に完了しました。定員約9千人の補充隊は、兵士の教育や訓練を行い、既存部隊や新たに編成された部隊へ兵士を送り出す役割を果たしました。

特に、弘前師管区司令部は第8師団など、合計10個の師団及び1個旅団への補充を担当しました。また、補充隊は約300の戦闘部隊や野戦病院をも統括し、司令部と補充隊のほとんどが弘前に集中していました。その他にも、秋田には歩兵第2補充隊が、盛岡には工兵補充隊が位置していました。

陸軍病院の役割

弘前師管区に所属していた陸軍病院は、弘前陸軍病院、秋田陸軍病院、そして盛岡陸軍病院が機能していました。これらは師管区部隊の一部となり、東北軍管区司令部の直轄であった青森陸軍病院も含まれていました。終戦時には弘前、青森、秋田の各陸軍病院が師管区部隊に所属していましたので、医療の維持にも重要な役割を担っていました。

復員のプロセス

1945年8月15日にポツダム宣言が受諾され、戦争が終了した後、陸軍は解体され、各部隊は順次復員（解散）することになりました。しかし、弘前師管区部隊は復員業務や治安維持のためしばらく存続しました。砲兵補充隊は9月5日、輜重兵補充隊は9月17日に復員しましたが、他の補充隊はその後の処理となりました。

その後、第157師団など先に復員した部隊からの一部人員も弘前師管区部隊に転属され、活動を続けました。陸軍省廃止直前の11月30日には、内地の師管区司令部が一斉に復員を行い、この際に弘前師管区部隊も廃止が決定しました。この時、実質的に司令部は第一復員省東北復員監部弘前支部に移行したものの、人員は残り17人と大幅に削減されました。

部隊の編制と定員

弘前師管区部隊は、東北軍管区編成人員表に基づき、約2万6千人が編成されていましたが、その中でも特に多いのは定員1万2900人の地区特設警備隊でした。以下は主な編制と定員の概要です：

• - 弘前師管区司令部: 260人（軍属16人）
• - 弘前師管区歩兵第1補充隊（東北57部隊）: 3202人（軍属1人）
• - 弘前師管区砲兵補充隊（東北69部隊）: 576人（軍属1人）
• - 弘前陸軍病院: 552人 など多数の部隊が存在しました。

部隊が多様であることは、地域の特異な状況に応じた防衛構造の重要性を示しています。戦時中の弘前師管区部隊の存在は、当時の日本の歴史における重要な一部であると、後の歴史家たちに評価されています。

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