第一復員省

第一復員省について

第一復員省は、1945年12月1日に設置され、1946年6月15日に廃止された短命の中央省庁です。これは、第二次世界大戦終結に伴う旧軍の解体と、復員業務の円滑な実施を目的として、陸軍省を改組して設立されました。

設置と廃止

「第一復員省官制」（昭和20年勅令第675号）に基づき設置され、その後の「第一復員省官制の廃止等に関する勅令」（昭和21年勅令第314号）によって、わずか半年強の歴史に幕を閉じました。廃止と同時に、旧海軍省を改組した第二復員省と統合され、復員庁が発足しました。旧第一復員省は、復員庁の第一復員局としてその業務を引き継ぎました。

組織構成

第一復員省の各局長は勅任、各部長は勅任または奏任の第一復員官から選ばれました。また、秘書官は奏任の第一復員官、第一復員書記官は専任1名、第一復員属は専任92名が定員と定められていました。

大臣

第一復員大臣は、内閣総理大臣が兼任しました。初代大臣は幣原喜重郎、その後吉田茂が就任しました。大臣は、旧陸軍大臣が所掌していた事項のうち、復員に関する業務を管轄しました。

政務[[次官]]・次官

政務[[次官]]には宮崎一、次官には原守中将、上月良夫中将が任命されました。

大臣官房

大臣官房は、史実調査、在外陸軍部隊の実情調査、終戦連絡、翻訳、医務など、多岐にわたる業務を担当しました。大臣官房には史実部長として宮崎周一中将、俘虜調査部長として坪島文雄中将がいました。

各局

総務局: 所管行政の総合調整、部外交渉、軍需工業・軍需品の整理を担当しました。局長には吉積正雄中将、総務課長には荒尾興功大佐が就任しました。
業務局: 人事、復員実施、運輸・通信に関する業務を担当しました。旧陸軍省人事局が中心となり、局長には額田坦中将が就任しましたが、1946年3月31日以降は局長が欠員となりました。
経理局: 予算、決算、資金、契約、給与、会計監査、衣糧・需品、営繕、国有財産に関する業務を担当しました。旧陸軍省経理局がほぼそのまま移行し、局長には森田親三主計中将が就任しました。
法務局: 司法、刑務、規律維持に関する業務を担当しました。旧陸軍省法務局がほぼそのまま移行し、局長には大山文雄法務中将が就任しました。

関連事項

第一復員省は、その短い期間の中で、戦後の混乱期における復員業務を担いました。その業務は、後の復員庁へと引き継がれ、戦後の日本の復興に大きく貢献しました。

関連項目

近代日本の官制
陸軍省
復員庁

外部リンク

国立国会図書館 憲政資料室 復員省関係資料

もう一度検索