弘形村

弘形村について

弘形村（ひろかたむら）は、1955年3月31日まで愛媛県上浮穴郡に存在した村で、現在は久万高原町の中部南寄りにあたる地域に位置しています。この村は四国山地の中に位置し、面河川上流の右岸および御三戸で分岐する久万川の流域に広がっていることで知られています。そして、1887年に開通した予土横断道路（現・国道33号）が村内を貫通しており、そのため交通の要所となっていました。

地理

弘形村は渓谷型の地形をしており、村内には河川に沿って小規模な集落が点在していました。村役場は大字上黒岩に設置され、地形の特性上、平地が少なかったため、役場を中心に多くの施設がこの地域に集中していました。弘形村には、日野浦（ひのうら）、上黒岩（かみくろいわ）、中黒岩（なかくろいわ）、大川（おおがわ）、有枝（ありえだ）の5つの大字が存在しました。これらの大字は昭和の合併によって「美川村」が成立しても残存し、さらに平成の合併後に久万高原町となった際には、地名表記から「大字」が削除されることとなりました。

村名の由来

地名である「弘形村」は、明治時代の町村制が施行された際に、当時存在した日野浦、上黒岩、中黒岩、大川、有枝の5つの旧村の名から一文字ずつ取って作られたとされています。このように村名が造られたことは地域の歴史や文化を反映している象徴とも言えます。

歴史

弘形村は、1889年に設立されました。1935年には現在の国道33号線となる道の改修が完了し、自動車の通行が可能となりました。また、隣接する土讃本線の佐川駅と久万町を結ぶ省営バスも村内で運行が始まり、村の交通利便性が高まりました。しかし、1955年には合併があり、美川村設置の一部となりました。

村の歴史をさかのぼると、次のような系譜が確認できます。日野浦、上黒岩、中黒岩、大川、有枝がそれぞれ関連し、最終的に弘形村としてまとまり、美川村として生まれ変わったのです。

産業

弘形村では、米や麦、とうもろこし、三椏、茶などの農作物が生産されていました。また、養蚕も行われており、地域の産業を支えていました。これらの産業は、村の生活や文化にも深く根付いていたことでしょう。

交通

交通手段に関しては、村内には鉄道は敷かれておらず、主に道路交通に依存していたため、国道33号が非常に重要な役割を果たしていました。

弘形村の歴史や地理、産業、交通などは、その地域の文化や発展に大きく寄与しており、今日の久万高原町にも影響を与えています。

もう一度検索