上浮穴郡

愛媛県上浮穴郡：歴史と変遷

愛媛県上浮穴郡は、久万高原町のみを管轄下に置く郡です。2024年10月1日時点での推計人口は6,381人、面積は583.69平方キロメートル、人口密度は10.9人/平方キロメートルと、比較的低密度な地域です。

しかし、現在の姿になるまでには、複雑な歴史的変遷を辿ってきました。明治11年（1878年）の郡区町村編制法施行により、42の村を統合して上浮穴郡が成立しました。その当時の郡域は、現在の久万高原町に加え、大洲市、西予市、そして喜多郡内子町の一部地域を含んでいました。

明治時代：郡発足と町村制施行

明治初期、上浮穴郡域は、松山県、大洲県、新谷県、宇和島県、石鉄県、神山県と、幾度も管轄が変更される複雑な状況にありました。しかし明治6年（1873年）に愛媛県の管轄下となり、安定した行政運営が可能となりました。

明治11年（1878年）の郡制施行によって、上浮穴郡は正式に発足します。郡役所は久万町村に置かれ、この頃から本格的な行政組織が整備され始めました。その後、明治22年（1889年）の町村制施行により、上浮穴郡内では15の村が誕生。これらの村は、後の合併によって現在の久万高原町へと統合されていくことになります。

明治30年（1897年）には郡制が施行され、郡の行政機能が強化されました。明治34年（1901年）には久万町村が町制を施行し久万町となりました。その後も、合併や町制施行など、行政区域の変遷は継続的に行われました。

昭和時代：大規模な合併と町の発展

昭和時代に入ると、上浮穴郡では大規模な合併が断続的に発生します。昭和18年（1943年）には、小田町村と石山村が合併して改めて小田町村が発足しました。また同年、浮穴村の一部が喜多郡河辺村、そして残部が東宇和郡惣川村へと編入されるなど、郡域の再編が著しく進みました。

昭和30年（1955年）には、参川村、小田町村、田渡村が合併して小田町が発足。仕七川村、弘形村、中津村の一部が合併して美川村も誕生しました。この時代は特に多くの合併が行われ、行政区域が大きく変化した時代です。

昭和34年（1959年）には、久万町、川瀬村、父二峰村、美川村の一部が合併し、再び久万町が誕生しました。この合併によって、将来的な久万高原町の基礎が築かれました。

平成時代：久万高原町の誕生

平成に入ると、地方分権の推進とともに、さらなる合併が検討されるようになり、平成16年（2004年）8月1日、久万町、面河村、美川村、柳谷村の4町村が合併し、現在の久万高原町が誕生しました。そして平成17年（2005年）1月1日、小田町は喜多郡内子町、五十崎町と合併して喜多郡内子町となりました。これにより、上浮穴郡は久万高原町1町のみとなりました。

まとめ

上浮穴郡は、明治時代の郡制施行から、昭和、平成と時代を経て、幾度もの合併と行政区域の変更を経験してきました。この複雑な歴史的変遷を辿ることで、現在の久万高原町の姿が見えてきます。上浮穴郡の未来は、久万高原町の発展と、周囲の自治体との連携に懸かっています。今後の発展に注目していきたいところです。

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