弘福寺 (貴陽市)

弘福寺

弘福寺（こうふくじ）は、中華人民共和国貴州省貴陽市雲岩区の黔霊山に位置する著名な仏教寺院です。その歴史は清代に遡り、数々の困難を乗り越え、現在では重要な文化財として保護されています。

歴史

弘福寺は、1672年（清の康熙11年）に赤松和尚によって創建されました。赤松和尚の入寂後、弟子の翟脈が方丈の地位を継承し、寺院の発展に尽力しました。

1739年（清の乾隆4年）には、清政府から寺院に大蔵経が寄贈され、寺院の学術的な価値が高まりました。

1929年には、果瑤法師が弘福寺を拠点として貴州仏学院を創立し、仏教教育の中心地としての役割を担いました。

中華人民共和国成立後、懐一法師が方丈を務め、寺院の運営に携わりました。

しかし、1966年に毛沢東が主導した文化大革命により、弘福寺の宗教活動は一時的に中断され、寺院に所蔵されていた文化財も失われるという苦難を経験しました。

1983年、中華人民共和国国務院は弘福寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定し、同時に省級重点文物保護対象にも指定しました。これにより、弘福寺は国家的な保護を受けることとなり、文化財としての価値が再認識されました。

1987年7月28日には、管理権が仏教界に返還され、貴州省仏教協会会長である恵海法師が弘福寺の法事を執り行うこととなりました。

伽藍

弘福寺の建築は、三重の構造に分かれています。中心となるのは、大雄宝殿（本堂）、観音殿（中殿）、弥勒殿（前殿）です。これらの殿堂を中心に、蔵経楼などの施設が配置されています。

山門には、中国仏教協会会長の趙樸初による書が掲げられています。山門の両側には、寺院を守護する石獅子が配置されています。

大雄宝殿には、華厳三聖が祀られています。

文化財

弘福寺には、歴史的に価値の高い文化財が所蔵されています。中でも有名なのは、重さ1500キロの銅鐘です。この銅鐘は、1469年（明の成化5年）に鋳造されたもので、元々は貴陽城内の大興寺にありました。1980年に弘福寺に移され、現在に至ります。

文学

明代の地理学者である徐霞客は、1638年4月11日に弘福寺を訪れました。彼は「九曲径」を下り、北にある「麒麟洞」を訪れたことが記録されています。

脚注

弘福寺は、その長い歴史と文化的な価値から、多くの人々に敬われ、訪れる人々を魅了し続けています。

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