弥勒寺官衙遺跡群とは？意味をやさしく解説

弥勒寺官衙 遺跡群

弥勒寺官衙遺跡群（みろくじかんがいせきぐん）は、岐阜県の関市池尻から美濃市大矢田にかけて広がる歴史的な遺跡群です。これは、古代美濃国武儀郡に属する郡衙（郡役所）の跡や、それに関連する寺院や祭祀跡、さらに古窯跡が複合的に存在しているスポットです。この遺跡群は国の史跡としても指定されています。

概要

弥勒寺遺跡群は、主に奈良時代から平安時代の律令制度下における武儀郡の行政機関である郡衙跡を中心に、他の関連遺跡が存在します。特に、関市池尻の弥勒寺官衙遺跡（弥勒寺東遺跡）を核に、郡党であった身毛津（むげつ）氏に関連する古代寺院、弥勒寺跡や祭祀遺跡の弥勒寺西遺跡、さらにその周辺には池尻大塚古墳などが分布しています。

北西部の美濃市大矢田には、弥勒寺に供給するための屋根瓦を生産したとされる丸山古窯の遺跡が存在し、この遺跡群全体が当時の文化や生活を垣間見る重要な証拠となっています。

史跡指定の経過

1959年には、弥勒寺跡と丸山古窯が「弥勒寺跡附:丸山古窯跡」として国の史跡に指定されました。その後、2007年には弥勒寺官衙遺跡も追加で指定され、遺跡群全体の名称が「弥勒寺官衙遺跡群弥勒寺官衙遺跡弥勒寺跡丸山古窯跡」に改称されました。さらに2016年には、池尻大塚古墳が構成史跡に追加指定され、「弥勒寺官衙遺跡群弥勒寺官衙遺跡弥勒寺跡丸山古窯跡池尻大塚古墳」に改められました。

構成遺跡

この遺跡群を構成する主な遺跡には以下のものがあります：

- 弥勒寺官衙遺跡（弥勒寺東遺跡）

郡役所の中心的な跡地であり、重要な行政機能が行われていたと考えられています。

- 弥勒寺跡

身毛津氏が創建したと推測される古代寺院の跡です。

- 池尻大塚古墳

身毛津氏の墓廃と考えられる古墳で、埋葬文化に関する重要な資料です。

- 丸山古窯

弥勒寺への屋根瓦を生産した窯跡で、当時の生産技術を示す貴重な場所です。

なお、弥勒寺西遺跡も遺跡群には含まれていますが、国の史跡には指定されていません。このように、弥勒寺官衙遺跡群は古代日本の行政や宗教のあり方を理解する上で、非常に価値のある遺跡です。現地を訪れることで、古代の文化や歴史を体感し、学びを得ることができるでしょう。

弥勒寺官衙遺跡群