弥生 (初代神風型駆逐艦)

弥生 (初代)

大日本帝国海軍が運用した駆逐艦「弥生」（やよい）は、旧字体では「彌生」と記され、初代神風型駆逐艦の3番艦として建造されました。その名を持つ艦としては初代にあたり、後世、睦月型駆逐艦にも同名の「弥生」が登場したため、本艦は特に「弥生 (初代)」や「弥生I」といった形で、区別して呼称されることがあります。

艦歴

本艦は1904年（明治37年）8月20日、神奈川県にある横須賀海軍工廠にてその建造が開始されました。翌1905年（明治38年）2月15日には、製造番号第3号として正式に「弥生」と命名を受けます。同年8月7日に無事進水。この進水と同じ日付である8月7日付けで、正式に帝国海軍の駆逐艦として類別されました。その後、最終的な艤装を経て、1905年9月23日に竣工。ここに「弥生」は帝国海軍の戦力として加わったのです。

竣工から約19年後の1924年（大正13年）12月1日、本艦は駆逐艦としての役割を終え、その籍から除かれました。同日、海軍内で雑役船として再活用されることとなります。さらに約1年半後の1926年（大正15年）6月16日に廃船とされ、艦としての命運を完全に閉じました。最終的に、本艦は同年8月10日、大分県沖に広がる豊後水道の沖島沖にて、標的艦として実艦標的訓練の際に撃沈処分されました。約21年間の艦齢を、建造、運用、そして最期の標的という形で全うしたのです。

歴代艦長・駆逐艦長

本艦に乗り組み、その指揮を執った歴代の艦長及び駆逐艦長は以下の通りです（出典は『日本海軍史』他、当時の官報等に基づく）。

艦長 土師勘四郎 少佐：1905年9月1日 - 12月12日
駆逐艦長 土師勘四郎 少佐：1905年12月12日 - 1906年1月25日
駆逐艦長 庄野義雄 少佐：1906年1月25日 - 2月14日
駆逐艦長 大宮釤次郎 少佐：1906年2月14日 - 1907年2月9日
駆逐艦長 前川義一 大尉：1907年2月9日 - 9月28日
駆逐艦長 吉村信成 少佐：1907年9月28日 - 1908年7月16日
駆逐艦長 影浦喜次郎 大尉：1908年7月16日 - 11月20日
駆逐艦長 小沢八郎 大尉：1908年11月20日 - 1910年5月23日
駆逐艦長 横尾敬義 大尉：1910年5月23日 - 1911年5月23日
駆逐艦長 本宿直次郎 大尉：1911年5月23日 - 12月1日
駆逐艦長 藤田許太郎 大尉：1911年12月1日 - 1913年4月1日
駆逐艦長 松平胖 大尉：1913年4月1日 - 1913年12月1日
駆逐艦長 高辻広長 大尉：1913年12月1日 - 1914年5月27日
駆逐艦長 加藤雅一 大尉：1914年5月27日 - 1915年12月13日
駆逐艦長 塩島美雄 大尉：1915年12月13日 - 1916年4月11日
駆逐艦長 古川良一 少佐：1916年4月11日 - 1916年10月27日
駆逐艦長 渋谷荘司 大尉：1916年10月27日 - 1917年7月2日
駆逐艦長 水落高五郎 少佐：1917年7月2日 - 12月1日
駆逐艦長 森田重房 大尉：1917年12月1日 -
駆逐艦長 石井順三 大尉：不詳 - 1918年12月1日
駆逐艦長 奥野晃 大尉：1918年12月1日 - 1919年4月26日
駆逐艦長 後藤英次 大尉：1919年4月26日 - 1921年9月1日
駆逐艦長 （兼）春日末章 大尉：1921年9月1日 - 12月1日
駆逐艦長 （兼）須藤平三郎 少佐：1921年12月1日 - 1922年4月8日
駆逐艦長 福原一郎 大尉：1922年4月8日 - 6月10日
駆逐艦長 園二郎 大尉：1922年6月10日 - 1923年4月1日
駆逐艦長 村瀬頼治 大尉：1923年4月1日 - 1924年2月5日
駆逐艦長 （兼）宮武重敏 大尉：1924年2月5日 - 6月16日
* 駆逐艦長 （兼）吉田孝 大尉：1924年6月16日 -

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