豊後水道

豊後水道（ぶんごすいどう）

豊後水道は、九州の大分県と四国の愛媛県に挟まれた海域で、地理的に非常に興味深い特性を持っています。

地理的特徴

この水道は、北側で瀬戸内海の伊予灘と接し、南側では太平洋、具体的にはフィリピン海や日向灘に面しています。さらに、愛媛県に近い水域は由良半島を基準に、北側を宇和海、南側を内海と呼び分けることがあります。

特に豊後水道が最も狭くなっている部分は豊予海峡であり、大分市の佐賀関と爱媛県の佐田岬の間に位置し、その幅は約14キロメートルです。この豊予海峡の向こう側には伊予灘が広がっており、別府湾は伊予灘に面していますが、豊後水道には面していません。

中央部分には無人島の水ノ子島があり、その上には水ノ子島灯台が設置されています。

代表的な海域と半島

豊後水道に面する代表的な海域としては以下が挙げられます。

• - 四国側: 宇和海、宇和島湾、御荘湾、油袋湾、宿毛湾
• - 九州側: 別府湾、臼杵湾、津久見湾、佐伯湾、米水津湾

また、半島については、四国側には佐田岬半島と由良半島があり、九州側には佐賀関半島、長目半島、四浦半島、鶴見半島があります。

自然環境の豊かさ

豊後水道は自然環境にも恵まれており、高島はウミネコやビロウ樹の絶好の生息地として、大分県の天然記念物に指定されています。また、シギやチドリが集まる干潟も点在し、特に番匠川の河口や臼杵湾の沿岸部が知られています。

かつては多くのクジラやシャチが見られたと言われ、沿岸部には鯨塚や鯨墓が点在しています。近年では、少数ながら毎年ザトウクジラが姿を現したり、ハンドウイルカやミナミハンドウイルカ、ハセイルカが定住していることが確認されています。

高島近くには、絶滅種に指定されているニホンアシカの生息地として名付けられたアシカ島も存在します。

航路の充実

豊後水道周辺では様々なフェリーが運航しています。

• - 国道九四フェリー: 佐賀関港 - 三崎港（1日16便）
• - 九四オレンジフェリー: 臼杵港 - 八幡浜港（1日7便）
• - 宇和島運輸フェリー: 八幡浜港 - 別府港（1日6便）、八幡浜港 - 臼杵港（1日7便）

他にも宿毛フェリーは一時運航を休止していますが、運航便数の利用は多くの訪問者に便利さを提供しています。

おわりに

豊後水道は独特な地理的特徴と豊かな自然環境、充実した航路により、九州と四国を結ぶ重要な水域であるだけでなく、多くの観光客を魅了しています。地域の文化や歴史に触れることができる魅力的なスポットでもあります。

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