張作相

張作相の生涯と業績

張作相（ちょう さくそう）は、中華民国において著名な軍人であり、奉天派の一翼を担った重要な指導者です。彼の本籍は直隷省の深州市に位置し、彼の生涯は、政治的な変動に満ちた時代を背景としています。

初期の生涯

1881年、張作相は貧しい農家に生まれました。幼少期から勉学に励み、特に私塾での学びを大切にしました。彼は、後に奉天派の首領となる張作霖との同姓から親しい関係を築き、義兄弟の契りを結びました。彼は馬賊としての生活を経て、1902年に清朝政府により奉天巡防営の哨官に抜擢されました。その後も順調に昇進し、さらには東三省講武堂の第1期生として軍事を学びました。

中華民国の形成と奉天派での活動

中華民国が成立した1912年、张作相は張作霖の第27師において、砲兵団長・騎兵団長に就任し、1917年には第54旅の旅長に昇進。孫烈臣と共に、宗社党による清朝復興計画を鎮圧しました。張作相は常に奉天派の内部の安定を図り、反張作霖の動きに対しても抵抗していました。

奉天派の重鎮としての台頭

1918年には張作霖が東三省巡閲使に昇進し、張作相は講武堂の堂長を兼務し、続いて多くの昇進を果たします。1920年には奉軍総司令に就任し、自らの育成した後輩である張学良を抜擢しました。1922年の第1次奉直戦争では、東路軍の指揮を執り、直隷派への報復を志していましたが、西路軍の退却支援に回ることとなりました。

吉林省の政権と社会事業

張作相の政治キャリアの中で、特に評価されるのは吉林省での業績です。1928年、張作霖の死後、張学良を擁立し、吉林省政府の主席に就任しました。この期間中、彼は吉海鉄道の建設や吉林大学の創設を行い、地域の発展に寄与しました。また、浄水場の建設など、民生を第一に考える施策を展開し、多くの市民から支持を受けました。

晩年とその後

しかし、1931年の満洲事変以降、彼は辞職を余儀なくされ、天津に居を構えることになります。その後、日本側からの圧力に対しても抵抗し続け、国共内戦中の1948年、蔣介石から逃げるよう勧められましたが、彼はその誘いを拒否しました。この選択が功を奏し、中国共産党に捕えられた際に釈放されます。

誇り高き軍人であった張作相は、1949年5月7日に天津で心臓病により亡くなりました。享年69歳でした。彼の生涯は、 turbulentな歴史の中にあっても、軍人としての誇りと政治家としての責任を全うした一人の人間の物語と言えるでしょう。

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