張正九

張 正九のボクシングキャリア

張 正九（チャン・ジョング）は、1963年2月4日に韓国・釜山に生まれ、元プロボクサーとして輝かしい功績を持つ選手です。特に彼のボクシングキャリアの中で、世界ボクシング評議会（WBC）ライトフライ級王座を15度防衛したことが特筆されます。この業績によって、2010年には国際ボクシング名誉の殿堂博物館に殿堂入りを果たしました。

彼は1980年にプロデビューを果たし、その後すぐに実力を証明しました。最初の試合である徐正烈との対戦では、3回KO勝ちを収め、これが彼のスタートとなりました。その後、張は18連勝を記録し、世界タイトルへの挑戦権を獲得します。

1982年9月19日、彼はWBC世界ライトフライ級王者イラリオ・サパタに挑戦しますが、15回判定負けを喫し、プロ初黒星を経験しました。しかし、この試合で彼は脅威のパフォーマンスを見せ、注目を浴びました。

1983年には再度サパタと対戦し、3回TKO勝ちで見事に王座を獲得します。以降の試合で彼は防衛を重ね、次々と強敵を退けていきました。特に、1984年の渡嘉敷勝男との試合では9回KO勝ちを収め、大きな話題を呼びました。

張はその後も試合を重ね、1987年までに合計で15度の防衛を達成しました。彼の試合は常に観客を魅了し、印象的なストーリーとともに語り継がれています。しかし、ボクシングの世界での成功とは裏腹に、私生活では波乱がありました。

最初の妻は結婚詐欺師であり、彼の財産を狙って結婚したとされています。結果的に彼は財政的な困難に直面し、1989年には現役復帰を余儀なくされました。

1990年代に入ると、張はより高い階級での挑戦を続けましたが、思うような成果は得られず、1991年のムアンチャイ・キティカセムとの試合が最後となりました。この試合では王者に逆転されてTKO負けとなり、以降は引退しました。

張正九はその後、ボクシング界に大きな影響を与えた選手として認識されています。コメンテーターやトレーナーとしても活動しており、若いボクサーたちへの助言や指導を続けています。彼の人生は栄光と落胆が交錯するものであり、それが彼のキャリアをより一層特別なものにしています。ボクシング界のレジェンドとして、今でも多くの人々に愛され続けている存在です。

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