張紹

張紹の生涯と業績

張紹（ちょう しょう）は中国の三国時代に活躍した蜀漢の政治家で、その生没年は不明です。彼の父は有名な武将の張飛であり、兄は早逝した張苞、さらにその子である張遵は張紹の甥にあたります。張紹の政治活動は、家族の歴史を背負いながら展開されました。

諸葛亮との協力

兄の張苞が亡くなった後、甥の張遵は幼少であったため、父の役割を引き継いだのが張紹でした。彼は劉禅の外戚として侍中や尚書僕射に昇進。蜀漢が滅亡した後、張紹は譙周や鄧良と共に印璽を持参し、使者としての任務を果たすことになります。「後主伝」にもその様子が記されています。

劉禅が敵国である魏に護送される際、張紹はその随行者となり、魏からも列侯に封じられました。この経歴は小説『三国志演義』にも描かれ、歴史的な事実と重なる部分が多く存在します。

民間伝承と古柏の道

張紹の業績は、民間伝承にも残っています。特に、葭萌関周辺の伝説では、張飛が張紹や街の人々と共に対策を講じたエピソードが語られています。張飛が軍道を使って頻繁に兵を動かす中、厳しい気象条件に兵士たちが病気にかかることが多かったため、彼は別の場所で職に就いていた諸葛亮に助けを求めました。諸葛亮はその返書で、四季の気候に応じた対策を怠るなと警告しました。この教えは、兵法にも関連するものとして尊重されました。

その後、張飛は張紹やその他の住民と共に、河北の時代から茂っていた柏の木を移植し、環境改善を試みました。蜀が滅んだ後、張紹は劉禅と共に魏に投降し、鄧艾のもとに降る途中で豪雨に遭いました。その際、古柏の下で雨をしのぎながら、張紹は父譲りの力強い声で感涙し、その場を守った住民たちに柏の保護をお願いしました。この出来事は、現地の人々の胸を打ち、「阿斗柏」と名付けられた古柏が名所となりました。

史跡と旧跡

現在、張紹を記念する像が翠雲廊の北段入入口に設置されており、古柏にまつわる碑文も存在します。この碑文は、父張飛が植林した柏の道で感涙した張紹の偉業を称賛しています。さらに、今でも古柏が繁茂している様子が見られ、樹齢千年以上の古木も存在しています。

張紹とその家族が愛情をもって育てた柏は、明時代までに8000本にも及ぶと言われ、地域の人々に深く連綿として愛され続けています。

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