張飛

張飛（ちょうひ）

概要

張飛（Zhāng Fēi）は、中国後漢末期から三国時代にかけて活躍した蜀の将軍であり、優れた政治家でもありました。生年は不詳ですが、章武元年（221年）に亡くなっています。字は益徳で、幽州涿郡の人です。彼の武勇は古代中国にも名を馳せ、後世にもその伝説は語り継がれています。主に『三国志』にその功績が記録されており、小説『三国志演義』などの作品にも多く登場しています。

生涯

張飛は、劉備が義勇兵を集める活動を行っていた最初期から彼に従い、関羽と共に劉備の下で重要な役割を果たしました。劉備と関羽を兄弟のように思い、大切に扱いながらも、戦場では勇猛果敢な姿を見せました。彼は劉備が公孫瓚に仕官した際に、部下司馬に任命され、それに従って野戦での指揮を執りました。

徐州の陶謙から徐州牧の地位に就いた劉備を支え、様々な戦いや政治活動に参加しました。建安元年（196年）には曹操との戦闘に参加し、功績を認められて中郎将に任命されます。その後、劉備の背信と多くの戦いを経て、張飛は数多くの戦功を上げました。

長坂橋での戦いでは、劉備を守るために少数の騎兵を従え、曹操軍を強い声で威嚇し、なんとか劉備の逃走を助けることに成功しました。この勇猛さと戦う姿勢が、彼の名を更に高めることとなりました。

劉備軍の大将

建安16年（211年）、劉備が益州に進出した際、張飛は早速援軍として出撃し、その後の戦闘でも数多くの勝利を収めました。組織立った軍の指揮官としての能力を発揮した彼は、分かりやすいキャラクターとして戦場でも一軍を率いました。しかし、彼の短気な性格や暴虐な振る舞いは、指揮官としての評判にも影を落としました。

張飛はまた、支配地域の人々との関わりで特に粗暴な面を見せました。特に士大夫層に対するふるまいにおいては、無礼であると見る向きもあり、そのために不満が漏れることもありました。それでも、劉備からはその武勇が高く評価され、数々の賞を授与されています。

最期

章武元年（221年）、劉備が蜀漢を建国すると、張飛は車騎将軍となり西郷侯に昇進しました。しかし同年、彼は自らの部下であった張達と范彊により暗殺されます。劉備は彼の死を深く悲しみ、張飛の苦しい運命を悼みました。張飛には2人の息子がおり、長男は早死にし、次男が彼の後を継ぐことになりました。

人物像

張飛はその言葉使いや気性が荒く、身分の高い者に対しては敬意を払うものの、身分の低い者に対しては暴力的になることがあったとされています。功績に対しては高い評価を受けながらも、その危険な性格が彼に不幸をもたらしました。勇猛さは高く評価され、その存在は三国志を語る上で欠かせないものとなっています。

エピソードと伝説

張飛にまつわる多くのエピソードは日本の伝承や創作にも影響を与え、彼をヒーローとして描いたものが多く見受けられます。特に、彼が喝を入れて曹操軍を挑発した「長坂橋」の伝説は広く知られています。このように、彼の武勇や人柄は後世にも影響を与え続けています。

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