張青

張青について

張青（ちょうせい）は、中国の古典小説『水滸伝』に登場するキャラクターで、四大奇書の一つに数えられています。彼の異名は菜園子（さいえんし）で、これは彼がかつて孟州の光明寺において野菜畑の番人をしていたことに由来しています。張青は梁山泊での第百二位の好漢であり、その背景にはさまざまなストーリーが存在します。特筆すべきは、彼の妻である孫二娘との結びつきや、彼の波乱に満ちた生涯です。

生涯と経歴

張青はもともと孟州の光明寺で菜園の番人として働いていましたが、ある事件を契機に彼の運命は大きく変わります。張青は僧侶を殺害してしまい、その後は追剥（おいはぎ）という危険な暮らしに転向することになります。彼は孟州の十字坡にて、妻の孫二娘と共に居酒屋を経営し、そこで旅人を狙い武器として金品を奪う生活に従事しました。

ある日、張青は流されてきた武松と遭遇します。武松は孟州に流罪として護送されている途中で、張青の妻である孫二娘が彼に対して悪巧みをしているところを偶然目撃してしまいました。しかし、武松はその計画を見抜き、未遂に終わったため、張青は彼に対し丁寧に謝罪します。この経緯から、張青は武松と義兄弟の契りを結ぶことになります。

武松との再会

その後、張青は武松が青州の二竜山にて再会する際に、飯屋を経営する自身の店で打ち合わせを行い、魯智深や楊志らについて語ります。張青は、武松が前述の行者の衣装を再び身に着けるように提案し、これが武松の「行者」という渾名の一因となる出来事です。まともな経歴に戻せない運命の中で、彼は武松を助けることを決意し、共に闘う仲間たちのもとへと導くことになります。最終的に、彼自身も妻と共に二竜山に参加し、魯智深らと共に勢力を拡大していきました。

梁山泊での役割

張青夫婦は梁山泊に参加後、西山酒店の管理を担当することになります。彼らは情報収集や梁山泊を訪れる数多くの者たちへの応対をしながら、地域における重要な役割を果たしました。様々な人々と接し、その影響力を持つ彼らの存在は、梁山泊の発展に寄与するだけでなく、物語の主要な流れにおいても重要な位置を占めていました。

最期

しかし、張青の生涯は幸せな結末を迎えるわけではありません。方臘討伐の際、彼は歙州で命を落とす運命にあります。彼の死は物語の中で多くの仲間に影響を与え、彼がいかに強い絆を持った仲間であったかを物語っています。張青は単なる好漢としてだけでなく、仲間を思う人間としても描かれ、その魅力は今も多くの人々に愛されています。

もう一度検索