弾き語りフォーユー

1999年4月1日にNHK-FMでスタートしたラジオ番組『弾き語りフォーユー』。ピアニストの小原孝がナビゲーターを務める、聴取者参加型の音楽プログラムです。

この番組の最大の特徴は、リスナーから寄せられる様々なリクエスト曲に小原孝が応え、その楽曲を自身のピアノ演奏で届ける点にあります。ポップスのヒット曲などがリクエストされた場合は、まず原曲が紹介された後、小原によるスタジオでのピアノアレンジ演奏が披露されるという形式をとります。

一回の放送で取り上げられる楽曲は、おおよそ4曲から6曲程度。その内容は非常に幅広く、バロックから現代音楽までのクラシック作品、昭和・平成・令和の歌謡曲、往年の洋楽ヒット、さらには日本各地の民謡まで、多岐にわたるジャンルを網羅します。時には、五線譜が存在しないような民謡や邦楽系の楽曲がリクエストされることもあり、その都度、小原の演奏によって新たな息吹が吹き込まれます。

季節の移り変わりや特定の記念日などに合わせて、特定のテーマを設定した特集回が組まれることもあります。また、全国各地の会場で公開収録を実施しており、多くの聴取者が生で小原の演奏に触れる機会を提供しています。これらの公開収録の情報は、番組や小原の公式サイトなどで随時案内されています。

番組のエンディングを飾るのは、テーマ曲「風のメロディ」です。この曲がフェードアウトしていく直前には、その日の放送で演奏された楽曲の中から印象的なフレーズがさりげなく織り交ぜられるという演出も、聴取者に親しまれています。

放送時間 (2024年4月現在)

現在、NHK-FMでの本放送は、毎週月曜日から木曜日の午前9時55分から10時15分までの20分間となっています。

過去の放送時間等

以前は、翌朝の午前5時00分から5時20分にかけて再放送が設けられていた時期もありました。しかし、2021年度以降、FM放送の早朝帯番組編成が見直され、『古楽の楽しみ』が5時台に移動したことなどから、この再放送枠は廃止されました。また、NHK-FMの一部の地方局、例えば千葉局では2022年度まで、木曜日の同時刻に独自のローカル番組「花ラジちば」が放送されていたため、本番組は祝日のみの放送となる特例措置が取られていました。過去には、水戸局、さいたま局、宇都宮局でも同様の対応が行われていた時期があります。

海外向けのNHKワールド・ラジオ日本でも放送されることがありますが、こちらは不定期な放送となっています。特に、2013年度からはラジオ第1放送のサイマル放送（同時放送）が強化された影響で、本番組はラジオ第1の番組、例えば国会中継やスポーツ中継などが、放送権の制約や電波運用の都合により海外で同時放送できない場合の「穴埋め」として放送されるケースが多く見られました。さらに過去には、2012年度の上半期、木曜日の18時30分から18時50分に放送されていた時期があり、これは「NHKプロ野球」や高校野球中継の延長によってラジオ第1の定時番組が放送できなくなった場合などに限られていました。スポーツ中継がない場合は、本番組は休止となり、ラジオ第1の「私も一言！夕方ニュース」が18時30分から途中飛び乗りの形で放送されていました。金曜日には、「上方演芸会」の時差放送がない場合に放送されることもありました。

遡ると、2009年度には衛星ラジオにおいて、日曜日の午前9時30分から9時50分に放送されていた時期もありました。しかし、その後の番組改編で「日曜討論」の国内同時放送が開始されたことに伴い、この衛星ラジオでの放送枠は終了しました。

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